日記と短歌
by papiko
そそくさと君が視線をそらすほど存在感に拍車がかかる
 家から最寄の駅までの移動手段に、最近自転車をつかうようになった。寒い時期は風の冷たさにくじけて、二十分ほどかかる道のりを歩いていたのだけど、ようやく暖かくなったから。
 家から駅へ、駅から家へ、ぐんぐんびゅんびゅん、自転車をこぐ。こげばこぐほど、するすると景色が流れ、心地よい風が体中をすべり、髪の毛や洋服がはためいて、私は東京の空の下、躍動する生き物になれる。一日のうちで、最も活発な時間。

 先日買った新しいワンピースで会社へいったら、朝コートを脱いですぐに同僚の子が、「ワンピースひらひらして可愛い!」と言ってくれた。その一言で、私はファックスの送り先を間違えかけるほど嬉しくなって、これから始まる一日の気配が明るくなった。我ながら、どうしようもなく単純だ。今日はワンピースを脱ぐまでずっと、その洋服を着ているというだけで、自分を生きることが楽しかった。洋服を一言褒められただけで一日が華やぐなんて、女に生まれてよかったなぁと、珍しく思う。思春期のころはよく、男の子に生まれたかったなぁと思ったものだけど、そういえば最近はあまり思わなくなった。女が楽しくなるのは、これからなのかな。

 担当の営業さんから仕事の指示を受けているとき、途中でひゅっと目を逸らされて初めて、自分が営業さんの目をものすごく見つめながら話を聴いていたことに気づいた。驚きだ。つい最近まで人の目を見て話すのが苦手で困っていたのに、特に男の人の目を見るのは難しかったのに、私は一体いつの間に、相手が目をそらすほどにまっすぐ見つめて話せるようになったのだろう。しかもただ見るのではなく、どうやらかなり見入っているっぽい。人に話しかけられるたび、これまできちんと見つめられなかった時間を取り返すみたいに、大きくない目を見開いて、乾くほど眼球に力を込めながら、相手を見つめている自分がいる。話し終わった後、ちょっと目が疲れているぐらい。
 これはどうしたことだろう。目を合わすことへの抵抗感よりも、相手の表情を見たいという欲求のほうが、大きくなっているみたいだ。自意識過剰が、少しは弱まってきたのかな。相手の本心を知りたいという懐疑心が、強まったのかな。なんにしても、失礼になるほど見つめすぎないよう、気をつけよう。私は何でも極端すぎていけない。
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by papiko-gokko | 2008-04-23 22:53 | Diary | Comments(0)
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