人気ブログランキング |
日記と短歌
by papiko
本当に話したいのは何なのか分からないまま子供の話題
 下の妹の引っ越しを手伝いに、四国へ上陸してきました。いま、実家で飼っていて私が世話を引き受けている犬親子を、下の妹が引き取ることになり、犬を飼える物件に引っ越したのです。妹は動物をこよなく愛しており、実家の犬も妹が強く望んで飼い始めました。しかし子供たちが成長してみんな家を出てしまい、そのうえ両親も海外勤務でいなくなり、いまは私たち一家が住んで世話をしているけれども、それもずっとではありません。犬たちはだんだん老いてきていて、いつ最期の日が来るかも分からないということもあり、これからどうしようかと家族でたびたび話し合い、ついに、最後は自分が面倒をみたいと、下の妹が決断したのでした。

 引っ越しがゴールデンウィークの真っただ中だったため、渋滞を避けて3日の夜遅くに、眠る娘を乗せて出発しました。深夜の道路は思っていたよりもずっと暗く、中国山地を超えるあたりではところどころ霧が発生していて、反対車線のライトが霧にぼわんと反射して、その瞬間だけ視界がやたらと白く明るくなり、ぎょっとして息をのむほど幻想的でした。ナビに従って進んでいるのだから迷っているはずがないのに、霧に包まれたとたん、まるで知らない場所に迷い込んだような気持ちになりました。
 娘がずっと寝ていてくれたので、私は助手席でずっと夫と会話をしていました。普段の生活では、ふたりで何時間もゆっくりひたすら会話するなんてことがないから、この時間をすごく楽しみにしていたのだけれど、いざ始まってみると、話したいことがいっぱいあったはずなのにだんだん何を話せばいいのか分からなくなってきて、頭が回らなくなってきて、夫とだと沈黙がまったく気づまりではないから、それでつい沈黙してしまって、しかし助手席としては夫の眠気を覚ますためにしゃべり続けなければと思い、必死で話題を探してしゃべっていたら、「無理にしゃべらなくていい」と言われてしまいました。助手席失格です。最終的には、しりとりなどをして、それなりに愉快な深夜ドライブをし、妹の家に到着したのは2時ごろでした。娘は車から部屋への移動で一度起きてしまったけれど、なんとかかんとか寝かしつけ、みんな3時すぎには再び眠りにつきました。

 翌日4日は、寝不足ながらも、大変な作業の一日でした。5日にくる引っ越し業者に頼んだのは大型家具のみで、そのほかの段ボールや小型家具などはすべて自分たちで運搬することになっており、しかし行ってみると荷造りもまだ半分終わっていないような状態だったので、私は娘の遊び相手をしながら、ひたすら荷造りをして、下の妹と夫は、完成した段ボールやら小型家具を、どんどん入れられるだけ車2台に詰め込み、新居まで運んでまた旧居に戻ってきて、また私が完成させた荷物を再び車に詰め込んで、新居に運び込んで戻ってきて・・・という繰り返しで一日が終わりました。
 荷造りをしていると、私のまったく知らない妹の持ち物にたくさん触れる一方で、妹が子供のころからずっと使っている懐かしいものがでてきたりもして、人ってさまざまな要素で成り立っていて、私の知っている妹は、そのたくさんある要素のごく一部なんだよなぁとか、だけど私のよく知っているその一部分は、妹の性格の基盤になっている要素なのだろうだなぁとか、そんなことを思いました。箱詰めするために箪笥や棚を開けると、妹の収納の仕方が母にとてもよく似ていて、それはきっと私にも受け継がれている部分で、そんな、普段は気づかない母と子の無意識な繋がりを、妹を通して客観的に知ることができ、きょうだいって、なんだか不思議で可笑しくて、たまらなく愛しいものだなぁと思いました。私と妹たちと3人、同じ親から同じ生活習慣を無意識に受け継ぎ、まるで違っているようどでこか似通っている生活を、それぞれの場所でしています。
 一日がんばった甲斐あって、夜にはもう大型家具と必要最低限の生活用品以外なにもない状態になり、がらんとした部屋で、ピザをとって食べました。もうだれもがくたくたで、娘は7時半ごろ眠り、妹は重い荷物を運びすぎて肩こりから頭痛を発症して9時すぎにはベッドに入り、私と夫も11時前には明りを消して眠りました。体を動かすと、健全な時間に眠たくなるものなのだなぁ。

 5日もまた、なかなかにハードな一日でした。引っ越し業者がくるのが午後からということで、私は残りの荷造りと部屋の掃除を、妹と夫は最後の荷物の運搬で新居と旧居の往復をして、お昼にはもう完璧に大型家具だけになり、私と娘も新居に移動して、そこで買ってきたお弁当を食べました。
 予定では引っ越し業者が夕方くることになっていたのですが、なんだかまえの作業が早く終わったとかで1時にくることになり、食事のあと妹と夫は旧居のほうへ向かい、私は黙々と荷ほどき作業をしました。生活に必要なものの順に箱を開けて、トイレとお風呂と台所をまず整え、それからカーテンを取り付けたあたりで、それまで元気にはしゃいで大人の動きについてきていた娘が、便意をきっかけについにオーバーヒートを起こしてしまい、取り付けたばかりのカーテンにくるまってしばらく沈黙していました。そのあと無事にトイレでうんちができてオムツを履いたあとも、「ここにいたいの・・・」と言って、蓋をしたトイレで、ボーっと座っていました。引っ越しなんて、大人でも頭が混乱するのだから、娘にとっては、まったくわけのわからないことだったろうと思います。
 それでも、夫と妹が新居のほうへもどってきたら娘も元気を取り戻して、妹に遊んでもらっていました。妹と夫が新居に戻ってきてまもなく引っ越し業者もやってきて、どやどやと大型家具がはこびこまれ、あれよあれよと、新しい妹の部屋が出来上がりました。ああ、引っ越しって、何度やっても、おもしろい!荷造りも、荷解きも、家具がどんどん運ばれるのを眺めるのも、あれこれ新しい生活のために手続きをするのも、全部含めて、私は引っ越しが好きだなあと思いました。マイホームへの憧れがないわけではないけれど、まだしばらくは、引っ越しやすい人でいたいです。
 引っ越し業者が帰ってから、1時間くらいは荷解きを手伝い、夕方4時半を回ったあたりで、私たちは家路に着くことになりました。慣れない新居の玄関で心細そうな妹に見送られ、できることなら最後まで手伝ってやりたいなぁと、後ろ髪をひかれる思いでしたが、娘もいるし、夫の仕事もあるし、そういうわけにはいきません。

 帰りがけ、瀬戸大橋の途中にある与島パーキングエリアに降りて、写真を撮りました。今回は引っ越し作業だけでどこにも行けなかったから、最後にせめてもの観光です。日暮れの瀬戸内海は、西日を反射してきらきら眩しく、ぽくぽく浮かぶ島々が美しく、かなたを横切る船が強い光でシルエットとなり、娘の好きな絵本『うみキリン』の最後のページにでてくるうみキリンのシルエットそのものだったので、娘に「あれ、うみキリンかもよ!」と言ったら、「うみきりん、どこいったかな、うみきりん」とつぶやきながら、ものすごく真剣に見つめ続けていました。本当に、うみキリンみたいでした。
 また5月末、今度は母も一緒に、犬を連れて四国再上陸の予定です。そのときはもう少し、四国を味わえたらいいなと思っています。そういえば、四国といえば、滞在中にお遍路さんを2度見かけて、夫と、「ちょっとなんとなく、いつか、やってみたい気がするね」と言い合いました。子供が無事に自立して、私と夫の足腰が丈夫だったら、ふたりで挑戦してみたいです。
by papiko-gokko | 2013-05-06 22:44 | Diary | Comments(0)
名前
URL
画像認証
削除用パスワード
<< いいことを思いついたと言ってみ... 知りたがり走りたがりの怖がりさ... >>


検索

カテゴリ
このブログについて
Diary
月齢ごとの成長記録(次女)
月齢ごとの成長記録(長女)
幼稚園生活(長女)
手作り
短歌まとめ

以前の記事
2018年 03月
2018年 01月
2017年 12月
2017年 11月
2017年 10月
2017年 09月
2017年 08月
2017年 07月
2017年 06月
2017年 05月
2017年 04月
2017年 03月
2017年 02月
2017年 01月
2016年 12月
2016年 11月
2016年 10月
2016年 09月
2016年 08月
2016年 07月
2016年 06月
2016年 05月
2016年 04月
2016年 03月
2016年 02月
2016年 01月
2015年 12月
2015年 11月
2015年 10月
2015年 09月
2015年 08月
2015年 07月
2015年 06月
2015年 05月
2015年 04月
2015年 03月
2015年 02月
2015年 01月
2014年 12月
2014年 11月
2014年 10月
2014年 09月
2014年 08月
2014年 07月
2014年 06月
2014年 05月
2014年 04月
2014年 03月
2014年 02月
2014年 01月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 10月
2013年 09月
2013年 08月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月
2011年 03月
2011年 02月
2011年 01月
2010年 12月
2010年 11月
2010年 10月
2010年 09月
2010年 08月
2010年 07月
2010年 06月
2010年 05月
2010年 04月
2010年 03月
2010年 02月
2010年 01月
2009年 12月
2009年 11月
2009年 10月
2009年 09月
2009年 08月
2009年 07月
2009年 06月
2009年 05月
2009年 04月
2009年 03月
2009年 02月
2009年 01月
2008年 12月
2008年 11月
2008年 10月
2008年 09月
2008年 08月
2008年 07月
2008年 06月
2008年 05月
2008年 04月
2008年 03月
2008年 02月
2008年 01月
2007年 12月
2007年 11月
2007年 10月
2007年 09月
2007年 08月
2007年 07月
2007年 06月
2007年 05月
2007年 04月
2007年 03月
2007年 02月
2007年 01月
2006年 12月
2006年 11月
2006年 10月
2006年 09月
2006年 08月
2006年 07月
2006年 06月
2006年 05月
2006年 04月
2006年 03月
2006年 02月
2006年 01月
2005年 12月
2005年 11月
2005年 10月
2005年 09月
2005年 08月
2005年 07月
2005年 06月
2005年 05月
2005年 04月
2005年 03月
2005年 02月
2005年 01月
2004年 12月
2004年 11月
2004年 10月
2004年 09月
2004年 08月
2004年 07月
2004年 06月
2004年 05月
2004年 04月
2004年 03月
2004年 02月
2004年 01月
2001年 01月