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日記と短歌


by papiko

はじめまして


思い立ったが吉日という言葉、好きだ。
いきなり突然HPを作成したくなって、本当に作ってしまった。
いったいどんなサイトになるのだろう。
とにかく、ウェブ上に自分の場所を持ちたかったのかもしれない。
やっぱり自分の場所がないということは淋しくて怖いから、
自分の中の全部がいつでも戻ってくることのできるような、
そんな感じのサイトになればいいな。
# by papiko-gokko | 2004-01-07 07:24 | Diary | Comments(0)

短歌1301~(2014年~)


赤ちゃんじゃなくなっちゃったおまえには思いがけない言い分がある


おねえちゃんにならなくていいきみはただ私のかわいい子であればいい


おんぶして私の裾をぎゅっとしておっぱいなしでねんねした夜


執着を奪われきみは成長し忘れることで仕返しをする


本当に話したいのは何なのか分からないまま子供の話題


2歳児の世界はじゆう晴れの日に長靴はいてシャボン玉吹く


楽しくてしがみつきたいことだらけきみの口癖「まだもうちょっと」


ひとりなら見つけなかったかたつむりきみが世界を引っ張ってくる


手作りのワンピース着て行き先はお花畑か雑踏がいい


納得のいかないことや諦めのつかないことを踏みしめ歩く


おりがみとフェルトで作るやわらかいあかるいたのしいふたりの世界


世の中でいちばんこわいものはおばけなるべく長くそうあればいい


まだきみが赤ちゃんならば母さんはまだ赤ちゃんの母さんでいる


約束が夕焼け色に似てきたらそろそろ夏が終わるのだろう


がんばってるんだねという一言が欲しかったのだと言われて気づく


行き止まりひとつもなくてかいじゅうもおばけもいない迷路を描いて


それぞれの事情を察しそれぞれにだんだん距離をひろげて暮らす


ゼンマイでかたかた泳ぐお風呂場の「せかいがみたい」が口癖の亀


まぶしげに私を見上げ「おかあさん飛んでお空にぶつかってみて」


うつむいて歩きたいから雨の日は背丈の低いコスモスが好き


食パンにバターをたっぷり塗りつけるようにあなたへ捧げる時間


向き合って三時のおやつを食べている冬のはじめの陽だまりのなか


叱るのも叱らないのも違う気がするからひとまず待つことにする


屈託の一歩手前のはにかみが君の相づちから覗いてる


もうすぐでお姉ちゃんになる2歳児がむりやり袖を通すベビー服


ひとりっこ最後の夜に母さんとおにぎり仲良くはんぶんこした


これがキスこれが頬擦りこれがハグ今日から愛され続けるきみへ


赤ちゃんの泣き声うるさくないからね抱っこしないでねえお母さん


つま先に小鳥を飼っているきみのクジラが泳ぐ長靴のなか


愛情は無限だけれど一日の上限はある頼む寝てくれ


マジシャンのように注目浴びながらおやつを二枚のお皿に分ける


このまえは渡れなかった吊り橋を渡って一つまた過去になる


制服が真新しくて眩しくて前を向くのが難しい春


抱きしめてよし可愛いと確かめて深呼吸して説教をする


「おかあさん見て」ばかり言う3歳児だっこじゃないと泣く0歳児


君だけに起こせる風が吹き抜けてたどり着けない場所へ流れる


あたらしい成長ひとつ遂げるたびきみは光のかたまりになる


自分のとおかあさんのとお菓子でも花を摘むのも必ずふたつ


世の中で一番多い数は10一番大きな生き物はパパ


3歳の夢と誇りがマジックでピンクに塗った爪で輝く


おかあさんこわいと言われ苛立ちの塔が崩れて悲しみになる


お姉ちゃんみたいに跳びたい妹とミルクを飲んでみたいお姉ちゃん


思い出が形成される寸前のきみの記憶に捧ぐ霧雨


おかあさんおかあさんねえおかあさん湿った砂のように降り積もる


三歳が語る昨日の記憶にはみぞれのように夢が溶け込む


「おかあさんだいだいだいだいだいだいだいあしたまでつづくだいだいだいすき」


やっと寝た子らのおでこにキスをする今日の一番しずかな時間


赤ちゃんの時代を終えて人生の記憶のしっぽをいま生きている


どちらからともなく始まる鬼ごっこその瞬間にもうお友だち


靴はいて春の手前にいる二人あくびまじりの風をたべるの


あなたにはあなたひとりの物語たぶん読者でさえない私


爪そろそろ切ってやらなきゃ一日の最後に思うのはそんなこと


ためらってためらいすぎてくたびれて眠気がぜんぶ伝えてしまう


寝顔から今日一日を折りたたむ愛しそびれた場面もあった


悲しみを語るおまえの指先の動きで事態の重みを測る


「おかあさんおかあさんみておかあさん」強で回っている換気扇


そのままでとっておきたい剥きたての半熟卵みたいな言葉


「海のなみは海のなみだのことなの? 」と青いページを膝にひろげて


一日じゅう言葉吹雪が舞っている あのねえっとねきいておかあさん


気を揉んだあれこれどうにか乗り切って人生初の夏休みくる


蔓ばかり伸びて咲かない朝顔と時間ばかりがある夏休み


大人って憂えたほどは悪くなく思い描いたほど良くもない


これ以上蛇口をひねれば泣くだろう飛沫をあびて向き合う時間


思い出の色を決定するように八月末日アサガオが咲く


傾いてすべりこぼれる八月を暑い暑いと手繰って歩く


ふるさとの海の青さが出て行った私の意地をまあるく浚う


子をふたり乗せて漕ぎ出す自転車の笑いたくなるペダルの重み


スイッチに初めて指が届いた日つま先立ちの世界がひらく


もうすこし君の言葉が全身に到達したら目を閉じるから


園庭に愛のシャッター降り注ぎビニールまとった園児らが舞う


あのときにあなたが言った「だれよりも」とうに更新されたでしょうか


そりゃきみはもう随分な年だけどいなくなることないんじゃないか
# by papiko-gokko | 2001-01-02 00:05 | 短歌まとめ | Comments(0)

それぞれでいるのがもったいないような青空だから腕を絡める


「これ読むの?」「うん」が私とあなたとの初めて言葉で交わした会話


ふたりきり児童公園すべり台なんどもすべる北風のなか


「ほらあそこひこうきだよ」と指差せば私の顔を眩しげに見る


身長が70センチの子は空や遠い山より石ころが好き


叱ろうか褒めてみようか育児書をひらいた膝に子がよじ登る


子が真似をするようになり一言が濡れた毛布のように重たい


一歳の視野で歩けば石ころの模様しめった土の輝き


マンホールレンガ石ころ木の根っこ12センチの靴が見つける


気がかりなパーセンテージ示されてだけど明日もたぶん平和だ


靴下がいつもかたほう脱げている誰も知らないきみの冒険


繋いだ手もどかしそうに振りほどく白い帽子に春があつまる


去年とは異なる春を生きているきみは桜を見上げて笑う


パパという言葉と「ばいばい」「ただいま」をセットで覚え玄関で待つ


産声をあげて一年経った子の涙が徐々に複雑化する


まだ少しつかまえにくい春だからまず手袋を外して歩く


犬の絵に声の花びら吹きかけるように初めて「わんわん」と言う


もうおっぱい飲まなくたって生きられるきみに与える甘えの時間


雨の日は絵本が時を埋めていき「おおきなかぶ」を七本も抜く


シャボン玉つかもうとして追いかける背中に向けて次々に吹く


そっくりが縦にも横にも連なって予測できない明日をつくる


愛情の力加減がわからない 君が泣き出すまで離さない


学ランの青春時代に乗り込んで君のボタンに保険をかける


準備して挑みたいのに重大な事に限って突然決まる


東京の街の片隅ひと時は私がカギを持っていたドア


やわらかな眉毛がつくる表情のひとつひとつに愛情を塗る


驚いた顔から笑みがこぼれだす明るいほうへ伸びゆけ心


一歳の日常あらゆる出来事が泣く程のこと怒る程のこと


片づけたおもちゃ散らかし読み終えた絵本をひらき睡魔をにらむ


足元に転がる今を手にとって愛せるような名前をつける


点描画みたいに日々があつまってきみの笑顔の絵になればいい


生活の大抵のことに不真面目で眠気を探すときだけ真面目


触れてごらん小さなその手が音を生む形を作る色を見つける


カラフルな知育玩具に背を向けてへちゃげたザルで遊び始める


日常の景色が徐々に損なわれ最後に残るおまえのおもちゃ


別れには種類があると知らぬ子の「バイバイ」夕焼けだからバイバイ


そこにある心模様に目を凝らすアメンボみたいなおまえの言葉


ライオンが鹿に噛みつく映像を子は恐がりもせずに見つめる


現実を見ろと言われて目をひらく空は青くて山は緑だ


ほっぺたの産毛の見える距離にいて意識されずに見つめ続ける


この夏はまたとないから三人で入道雲に名前を付ける


改善の余地ある生活環境に思え腕組むホームセンター


簡単に「懐かしいね」と口にするたび思い出に頬をぶたれる


鼻セレブ勿体ぶって使ってるそんな平和な生活がいい


この色の名前を君に聞きたくて時間をかけてひらく唇


踏み込んだここは記憶の湿地帯はだしで駆けるかつての子供


愛情のぎりぎり届く範囲から君の幸せ願っています


水遊び光にまみれ全身できみは科学の扉をひらく


お得意の敗北感を光らせて君に言うのだ「応援してる」


手を握る力も強くなったけどおまえは一人でもう歩けるね


言葉ひとつ覚えるごとにこの腕に収まるものではなくなるおまえ


しゃぼん玉ふうせん産毛のひかる頬まるいやさしいきれいはかない


石ころを両手いっぱい集めたら空も大地も近づいてくる


ひとかじりクッキーそっと置くしぐさ私のこの子はもう女の子


幼児向け番組かかさず見る日々で意中の人はうたのおにいさん


いつまでも眠らない子が母さんの母さんじゃない時間を食べる


ワンテンポ置いて「なあに?」と振り返るオムツのレディーはもうすぐ2歳


「いち、にい」と一歳の子が真似て言い数字も言葉なのだと気付く


雨雲はすぐそこにある走れ走れ走って降られりゃ後悔はない


赤や黄や数あるなかでしわくちゃの茶色い落ち葉を拾ってはしゃぐ



ポケットが赤い木の実でふくらんだおまえひとりの詩人になろう


教えたいとか伝えたいとかじゃなく近づきたくて絵本をひらく


「だいしゅき」と飛び跳ねながら口にするきっと忘れてしまう初恋


おりがみのおにぎり持って座布団のボートでシーツの海へ漕ぎだす


だれも皆おまえの小さな要求に応えるためにいるわけじゃない


悲しみをしぼり出すように泣きじゃくるおまえにおやつの提案をする


人生はむずかしいなあオイチニと付けた弾みを持て余してる


「おかあちゃん」「なあに」呼ばれる幸せと呼べる幸せ繋げて笑う


起きて泣く子の耳元で子守唄ここは布団でそれは夢だよ


ふるさとはどっちつかずの生き方を代わり映えせぬ顔で見捨てる


黄色ってこんなに明るい色だった冬の終わりに見た菜の花の


しかたないしかたないけど考えないこともできずに月を見上げる


決心は紙切れよりも軽いから風よ吹くなら思い切り吹け


わたしいま ひとりぼっちをしていたの しょんぼりしょんぼりすわっていたの


人生で初めてきみが描いたカオ照れくさそうに笑っているね


誰よりもおまえを深く知っているつもりでいたいずうっといたい


抱き寄せる腕ふりほどき走れ走れ自由は与えられるものじゃない


言うほどのことじゃないけど言わずにはいられないことだらけの会話


やっと寝た子が泣き出して乱暴に母親というガウンを羽織る


だってまだ遊んでたいのしゃがんだら影に泣きべそ覗きこまれる


向かい風まるいおでこで駆けてくる冬のあいだに髪が伸びたね


イメージの世界の君は理解者で私のことを少しだけ好き


約束は「はるになったら」封筒の宛名めがけて春が始まる


中指と人差し指の隙間からこわいあいつに睨みを利かす


頼むから寝てくださいと雨乞いのごとく念じている午前二時


踏み台にのぼり小さな手を洗ういまにも過去になりそうな今


いないいないばあするふりで涙目を隠したっきりばあができない


おかあちゃんおしごとしないでようと泣く24時間おまえは2歳


ポケットに届くおてがみメモ帳に色えんぴつでぐるぐる描いた


家にあるどの鏡よりオーブンの扉に映る自分を愛す


ブランコに揺られ続けてある日ふと次の景色に進みたくなる


雨の日のおりがみ淡い諦めを翼のかたちにしていく作業


覚えてて2歳の春はブランコにふたり揺られて桜を見たの


逃げたいというほどじゃないただ少し荷物を水に浮かべて寝たい


説明のうまくできない正しさを大人の顔で泣く子に示す


このあいだたっちした子が駆け回り空飛ぶことに憧れている


泣いてるの涙が止まりそうだからそれが辛くていま泣いてるの


ワンピース着るときは「もうおねえさん」ねんねのときは「あかちゃんだから」


真夜中におまえがひとつ咳をして耳を覚ましたまま朝を待つ


いいことを思いついたと言ってみてそれを一つのきっかけにする
# by papiko-gokko | 2001-01-02 00:00 | 短歌まとめ | Comments(0)