日記と短歌
by papiko
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泣くことと立ち直ること繰り返す 大人になってもう六年目
 会社のやりかたも人間関係も、心底、嫌になりました。いくつかのことが重なって、何もかも、誰もかれもが嫌になり、けれども月末で忙しくてトイレに逃げ込む時間などなかったから、パソコンの陰でぐしゃぐしゃ流れる涙と鼻水をシャツでぬぐいながら、がむしゃらにキーボードを叩き仕事を続けました。しばらくはしゃくりあげていて、電話がかかったときには声が上擦り震えていたので、泣いていたことに気づいた人もあったかもしれませんが、それを気にする余裕もないぐらい、反感が破裂して燃え盛っていました。悔しくて、虚しくて、今にも声がで漏れそうで、しびれるぐらい指を噛みました。きゃあ、気持ち悪い人。誰にも見られていませんように。
 こんなひどい思い、もう、こりごりです。私もだめなのだろうけど、会社もだめなんだ。最近、社員全体に指令を出す偉いの人の役職がますます偉くなってから、傲慢で半分嫌がらせのような通達がやたらめったら来るようになり、一般社員の仕事ぶりに関する偏ったランク付けまで始まり、それに伴って少し前まではそれなりに朗らかで良好だった部署同士の関係もぎくしゃくしてきて、罪のなすりつけ合いになってきて、誰もが誰の味方でもないその雰囲気に、毎日胃がキリキリします。それでも、ほんの時たま起こる営業部内のちょっと愉快な出来事を抱きしめて、素敵な人もいる、優しい人もいる、信頼できる人もいると、麻酔を打つみたいに言い聞かせてきたけれど、そんなふうにして仕事の人間関係を中途半端に愛してしまうから余計に痛い思いをするのだと今日思い知ったので、もう、担当の営業さん以外には、心を閉ざすことに決めました。担当の営業さんしか好きじゃありません。好きでいたかった人たち、残念だけどもうきらい、「ばーか」って、目を見て言いたいくらいに、もう嫌い。
 こんなにも不愉快で、嫌になって、こりごりなのに、私はまた、立ち直るのかなぁ。立ち直っちゃうんだろうなぁ。立ち直りたがりの心だし、立ち直るしか今の私には、生きる方法がないのだから。さぁさぁ立ち直る準備運動でもさっそく始めよう。どうせ立ち直るしかなんだったら、始めから倒れなければいいのに。脆いんだか、しぶといんだか、まったく、やっかい。さぁさぁ、これから日テレで放送される「魔女の宅急便」を見て、そのあと夜の散歩をして眠り、明日には涙と鼻水だらけのシャツを洗濯して干して、完全にそれが渇くころには、立ち直っていることでしょう。あぁ、キキが空を飛んでいる!私も13歳の魔女になりたいな。もしくは子供を産んで育てて、その子と一緒にこれを見たい。そういえば私はもう、キキよりオソノさんとのほうが、年齢が近いのか。ちょっと前まで、キキのほうがお姉さんだったのにな。
by papiko-gokko | 2009-07-31 21:24 | Diary
君の来た朝は無性に恥ずかしいラジオ体操第二が嫌い
 暑さで眠くて気だるくて、感情の起伏が薄れています。プールにでもいけばさぞかし気持ちよいのだろうけれど、もう何年も水着を着ていないので、勇気と自信がありません。夫は滝のように汗をかいて、汗のかきすぎで溶けそうになっています。汗をかけない私は、熱気球状態で意識がふわふわ浮遊しています。そんな二人だから、ケンカにもイマイチ覇気がありません。毎年のことながら、なんてしんどい季節なんだ。

 会社からの帰り道、メリットのシャンプーリンスとタオルの入った桃色の洗い桶をかかえて、軽やかな足取りで歩いていくアロハシャツのおじさんとすれ違いました。夏の日暮れに銭湯なんて、風流でいいなぁ。それから他にも、小麦色の肌をしたタンクトップの青年が狭い路地裏にしゃがみこんで自転車のチェーンを直していたり、身軽なワンピース一枚で二の腕を光らせて立ち話をしているおばちゃんがいたり、移り変わる季節のなかで生きて生活を営む人たちの、可愛くて健やかな日常とすれ違うことができるから、駅から徒歩20分の帰り道が好きです。夏は特に、日が暮れてから行動を始める人も多いようで、たくさんの日常に出会えます。
 塾の前を通ると、よく日に焼けた夏の子供らでてきて、なにやらしきりにしゃべくりながら、横断歩道を駆け足で渡っていました。夏休みも塾だなんて、最近の子供は大変だなぁ。あの子たちそれぞれ、やりたいこととやらなくちゃならないことをめいっぱい抱えて、夏休みという制限時間に急かされながら、それでいて持て余しながら、それぞれに一カ月半の夏を過ごすのか。
 近所のお寺を囲む雑木林からは、思わず首をすくめたくなるほどの、ものすごい蝉しぐれ。夏休み真っ盛りです。宿題がなければもっとなんでもできるのになぁと頬づえついた夏休み。大嫌いな算数のページだけは七月中に全部やってしまおうと意気込み、夏休み最初の一週間はその難しさに涙を流した夏休み。自由研究はいつも失敗して想像の結果を書き、絵日記だけは燃えて綴った夏休み。妹と一緒にいすぎてケンカしてばかりいた夏休み。次の年もまた次の年も、夏が来れば必ずやってくると思っていたあのころの夏休みから、いつの間にこんなにも遠く離れたのだろう。

 私も来週一週間がんばったら、次の週は有給をどんととらせてもらって、一週間実家に帰ります。夫も数日後にやってきて、出雲から東京への帰りはふたりで念願の夜行列車、サンライズ出雲です。楽しみだなぁ。眠れても、眠れなくても、楽しそう。出雲から東京まで乗り換えなしで大地を走るということが、とても新鮮です。読書をしたり、窓に顔をひっつけて知らない土地の夜を見たり、DSをしたり、うとうとしたり、いろんなことをたっぷりしよう。そろそろ往復で読む本を、決めなくては。小さいころからいつだって夏休みは妹と過ごしてきたので、今年もやっぱり、妹と過ごすのです。下の妹も私の帰った次の日ぐらいに帰ってくるようで、久々に3人で遊ぶの、すごく楽しみだなぁ。Wiiでマリオカートとかボクシングとかやるのだ。ケンカしないようにしよう。でも下の妹はすぐ生意気なことを言うから、一回ぐらいケンカしてしまうかもな。
 
by papiko-gokko | 2009-07-30 23:41 | Diary
ゆるやかに老いて忘れてゆく祖母にあの日と同じ声で呼ばれる
 「岡山のおばあちゃん、ちょっとぼけがはじまったかもしれん」と、母が電話で告げました。先日里帰りをした際にタオルケットを出してと言ったら「タオルケットとはどんなもの?」と聞いたり、造花に水をやったりしていたそうで、元々ほんわりとしてちょっとおとぼけなところのある祖母だから、私にはそれがぼけのせいなのかよくわからないけれど、娘の母がそういうのだから、そうなのかもしれません。
 母はそれを悲しむ口調ではなく、「なんか可愛いがぁ」と、可笑しそうに愛しそうに話したので、私も取り乱すことなく、ゆっくりとそうなっていくものなのかねぇなんて、穏やかに受け答えすることができました。しかし上の妹は涙目になってしまったようで、「もうあの子はすぐ泣きそうになっていけんに」と、呆れて笑いながら心配していました。私も一緒に笑ったけれど、私だって電話じゃなかったら、うまく言葉を返せたかどうか、わからないな。
 少し前、母は出雲の父方祖父についても、最近物忘れが多い気がすると話していました。車のキーを外し忘れたり、洗剤なしで洗濯機をまわしてしまったりなどといった失敗を時々するみたいで、それぐらいのことなら私も普通にしそうだから、病気じゃないと思うことにしているけれど、いずれはそうなっていくのかもしれません。父方祖母のほうは、3年前お餅をのどにつまらせて脳細胞がほとんど壊れてしまい、今も植物状態です。元気だった頃、『ぼけないように手紙を書く習慣をつけようと思います』と、お菓子がたっぷり入った小包の中に何度か達筆の手紙が添えられていたことがあったりしたのに、それなのに、数分間の酸素不足であっという間に全部を放り投げて眠ってしまいました。
 だんだん記憶が遠のいていくのと、一気に放り投げてしまうのと、どちらが悲しいのだろう。長い人生で覚えた無数のことを、今度はいつのまにか、知らず知らずのうちに手放しながらそのまま歩いていく人を、止めることなどできないとわかっているけれど、やっぱり、悲しいな。手放したものを片っ端から拾い上げて追いかけて、何度でもまた覚えてもらおうと、私はしてしまうだろうけれど、それは医学的に、どうなのだろう。
 岡山の祖父は、ぼんやりとした失敗をする祖母をついきつく怒ってしまうそうで、母が「やさしくせんといけんよ」と忠告したら、少ししょげて「またそのうち一緒に病院へ行こう思いおるんじゃ」と答えたそうです。会うたびに小さく丸くなっていくような祖父母が、病院の広い待合室でちんまり寄り添っている姿を想像すると、意識を持たない祖母に会いに病院へ行くのが日課になっている出雲の祖父のこともまた思いだして、悲しさとも切なさとも愛しさとも言い切れない、やるせない思いが、こみ上げてきました。それはなぜだか、友達から「子供が生まれました」と報告を受けた時の気持ちに、とてもよく似ていました。老いるってなんだろう、生まれるってなんだろう、夫婦ってなんだろう。
 岡山の祖母と私が最近会ったのは結婚式のときです。ふたりとも夫のことをすごく気に入って褒めてくれました。結婚式翌日実家にきていた祖母が、私と妹の食べていた板チョコをみて、「わたし、チョコレートが、大好きじゃ」といって、こそっとふたかけほど割って、指先を細かく動かして銀紙でくるみ、内緒だよと言うように、くくくっと笑いながらポケットに潜ませたことを、これを書きながら、今、鮮明に思い出しました。あのチョコレート、ちゃんと忘れず食べたかな。あのころはまだ寒かったけど、もう夏だから、溶けてしまうから心配だな。大好きな私のおばあちゃん、いつか私の記憶をどこかで手放して思いだせなくなっても、会った時には名前と関係を教えるから、小さいころと同じイントネーションで名前を呼んで、名前と私を愛してくれたら、私は幸せ。
by papiko-gokko | 2009-07-28 18:52 | Diary
安らぎや愛や刺激や信頼や なんでも君に求めてしまう
 月曜日。会社へいくと、土日ですっかりふやけた心に不快なことや苦痛なことが次から次へと降ってきて、まともにダメージをくらってしまいました。月曜日は要注意だな。午後からは大急ぎで鉄の鎧を装備して、ダメージを最小限に抑えることができました。ただこのようにいつまでも、思考がドラクエの世界から抜け出せずにいます。土日に冒険を楽しみすぎました。今の私は、ホイミを唱えれば痛みが消えると思って生きているので危険です。

 鉄の鎧をまとったまま家に帰り、癒しを求めてドラえもんを読んでいたら、友達から電話があり、今日予約していた歯医者の時間までの数分間お話をして、鉄の鎧がゆるゆる弛み、するりと脱ぎすてることができました。会社にいると、つい会社の人間関係のなかに信頼関係とか味方になってくれる存在とか求めてしまって、それで勝手に裏切られた気持ちになったりして疲れてしまうけれど、私の信頼できる人は、会社の外にこうしてきちんといるのだから、それで十分だ。会社ではとにかく、強くあろう。

 歯医者では、知覚過敏の治療をしました。ここのところ、熱いものや硬いものを食べるとどうも痛むのです。噛みあわせが悪いせいで一部の歯に無駄な負担がかかって神経が過敏になってしまっているのだそうで、つまり関節を曲がらないほうに曲げようとしているのと同じようなことなのだと、歯医者さんは自分の腕を曲げたり伸ばしたりしながら説明してくださいました。その腕が予想外に毛むくじゃらだったので、それに気をとられてちょっとそのあとの説明を聞き逃してしまいましたが、しっかり今できる範囲での治療してもらいました。また来週の月曜日、予約してあります。あぁ、なんだか今年は一年中、歯のトラブルが絶えないなぁ。

 家に帰ってからしばらく妹と電話をして、それから今週も月9「ブザービート」を忘れずしっかり見ました。今日もそれぞれの恋が始まったり動いたり遠のいたりして、見ごたえのある一時間でした。いやーその展開はちょっとありえないわーと心の中でつっこみを入れたりしつつ、体育座りで楽しみました。
 主題歌は、今日も最高でした。聴くたびに最高度が増します。歌はもちろんのこと、始まり方や伴奏も、かっこいい!
by papiko-gokko | 2009-07-28 00:24 | Diary
現実も非現実にも目を閉じて走らなければたどり着けない
 午前中は掃除と洗濯に精を出し、午後は夢中で「ドラえもん」を読んだり、無心にドラクエのレベル上げをしたりして、クーラーを程よく効かせた部屋で、のんびりだらだら過ごしました。ところが4時ごろ、仕事の終わった夫から「夜ごはんの買い物するから君も駅まででてきなよ」と電話があり、私は安らぎの現実逃避時間から引きずりだされてしまいました。外は朝からカンカン照りで、日が暮れるまでは絶対外にでたくないと思っていたのに。
 この手の誘いを断ると夫は必ず不機嫌になるとわかっているので、しぶしぶドラクエをやめて日焼け止めを塗りたくり、外へ出ると、むわぁっとした熱気に、さっそくめまいがしました。くらくらしながら鍵を閉めて、日傘をさして、肩で息をしながら進みました。生ぬるい風が細胞にまとわりついて、そのうえ時折強風が吹いて日傘が今にも壊れそうになり、暑さと傘の持ちにくさとで、私を外に呼びだした夫に対する怒りがふつふつ湧きあがってきました。そりゃあなたは滝の汗をかけるからどんどん体が冷えて多少の暑さ平気なんだろうけどこっちは汗をかかないぶん暑さが体に溜まって熱気球になりそうなんだからそのぐらいわかってくれるべきではないかぁ・・・・・・と心の中で恨み言をひたすら言いながら、一歩一歩、毛布の森をかきわけるような息苦しさで歩きました。
 途中、畑の横を通ったら、熟れすぎたトマトが地面に落ちてつぶれていて、独特の臭いを放っていました。その臭いは私に、ある夏休みを思い出させました。あれは小学4年生だったか、5年生だったか、生まれて初めて、母が仕事にでて家にいなかった夏休み、下の妹は保育園へいっていて、上の妹とふたり、宿題をしたり近所の子のうちへ遊びに行ったりして、家で遊ぶのに飽きると、まだまだ暑い時間帯から近所の公園まで出かけて、暇をつぶすためにむりやり遊んでいました。そのときどこからか漂ってきていた臭いが、なんだか今日トマト畑で嗅いだのとよく似ていたような気がするのです。当時の自分にとっても、それは決して気持ちのいい臭いではなかったはずなのに、それでも場所を変えることを選ばず、その場所で遊び続けました。
 そのころの私は、正しく生きるにはいろいろと我慢しなくちゃいけないのだという考えに捕らわれていたころで、母を心配させたぐらいやたら物分かりの良い子ぶって我慢ばかりしていたから、臭いも我慢するべきものの対象として捕えていたのかもしれません。だとしたら、一緒にいた妹には悪いことをしたなぁ。今だったら即刻場所を変えるだろうし、それ以前に、日が陰るまでは絶対外へ出ないだろうに。上の妹は私の人生に、いろいろ巻き込まれて大変な思いをしていたんじゃないかと、暑さで朦朧となりながら、私にいつも従順についてきた幼き日の妹を思いだしました。
 駅の近くのスーパーで夫と待ち合わせ、落ち合って早々「しぬほどあつかった、のどかわいた、ふらふら」と、ふてぶてしく夫に対する怒りを露わにしながら、当てつけがましく冷たいジュースを買い物カゴに入れました。今思えばひどい悪妻っぷりですが、そんな私の様子がよほど参っているように見えたのか、簡単に謝らない夫が「悪かったよ」と素直に謝ってくれたので、機嫌を直して、夜ごはんの買い物をしました。美味しそうな焼き肉セットを見つけて、すぐ焼き肉に決まりました。帰り道もやっぱり暑く、熱気球になりかけましたが、夫と話しながらだったので、なんとか耐えることができました。家に着いたら即クーラーをつけて、ドラクエのスイッチもつけて、現実逃避の続きを開始しました。今ドラクエの世界は、もう大変なとんでもない状況になっていて、探索と戦いの連続です。あぁ、明日は仕事なのか。土日って儚いなぁ。

 人間ごっこ短歌901~910、911~920を更新しました。6月後半から7月前半ぐらいの日記題名等で詠んだ短歌から選んだものです。
by papiko-gokko | 2009-07-26 23:20 | Diary
今はまだ欲しいものしかいらないの知らないことは知りたくないの
 夫と過ごす休日。洗濯物を干したり、ドラえもんを読んだり、ケンカをしたり、夫の進めるドラクエ(なんだかいよいよ大変な大冒険になってきた!)を覗き込んだりして、穏やかに日が暮れました。
 朝から何度か家の前を、「本日はー、○○商店街主催の盆踊り祭りがー、開催されますー、ご町内の皆様ぜひー、おこしくださいー」と、宣伝カーが通り過ぎていくのを耳にしていて、せっかくだから日が暮れてからちょっと行ってみようかねえと話していたら、ちょうど日の暮れてきたころから、にわかにわいわいがやがやがと表の人通りが増えてきて、やがて風向きによって、かすかに祭囃子も聞こえはじめました。
 風が運ぶ祭囃子に誘われるように外へでてみると、少し前を浴衣をきた小さな女の子の駆けていく背中が見えて、一気に気分が盛り上がり、思わず自分も駆けだしたくなりました。町内のお祭りながらも会場付近は車両どめの歩行者天国にしてあったりして、おおお祭りだ祭りだぁと、ますますテンションがあがりました。普段別々の用事で外へでている名前もしらないご近所さんたちと、同じ目的で同じ場所へ向かうのは、なんだか不思議な感じがしました。
 お祭りは、普段駐車場になっているちょっとした広場で行われていました。広場の中心には紅白幕のやぐらが組まれて太鼓が置かれ、大音量で流れるオバQ音頭にあわせて、浴衣姿のおばあさん達が、ゆらりゆらりと輪になって踊っていました。留学生の人とかに「ディスイズジャパニーズボンオドリ」と説明したくなるほどの、正しい盆踊りでした。
 屋台から少し離れたところにはささやかながら屋台もでていて、子供連れの家族や友達同士でやってきた小中学生で賑わい混みあっていました。浴衣姿の中学生グループもいて、きっと事前に「みんなで着ようね!」と打ち合わせしてきたんだろうなぁなんて思うと、自分の中学時代を思い出してくすぐったい気分になりました。その中学女子集団のちょっと離れたところには、同じように友達同士で来たらしきハーフパンツTシャツ中学生男子グループが「俺ら女子とかマジ興味ねーし」といった顔つきで焼き鳥を食べたりしていて、その男子のほうを浴衣女子がチラッと見た瞬間を目撃してしまって(実際は焼き鳥の屋台を見ていただけかもしれませんが)、猛烈にきゅんきゅんしました。そんな男子グループと女子グループのあいだを、ヨーヨーを弄ぶ小さな子たちが無邪気に駆けていき、祭りっていいものなぁと思いました。集うって、辛くてしんどいことだとばかり思っていたけれど、もしかしてちょっと、楽しいことだったのか。
 町内の小さな商店街の小さな盆踊り祭りだから、集っているのはご近所さんばかりのはずなのに、これだけ大勢のご近所さんたちが集まっていながら、誰一人として自分の知っている人がいないのだという事実に、はじめて愕然としました。地元のお祭りだったら、お祭りに行く道からもう知り合いにばったり会いまくりで、直接自分の知り合いでないにしても、○○のお姉ちゃんだ!とか、○○さんがとこの長女さんだが?とか、どこかしらのルートで知っている人にもどうしたって大勢会うというのに。
 私は地元のそんな環境が窮屈で生き辛くて、上京してからそういった人間関係から解放され、周りに知り合いのいない身軽さと心地よさにすっかり慣れ切っていたけれど、だけどいつまでもそのままでいていいのだろうかと、ふいに不安になりました。今のところ人間関係は会社だけで十分お腹いっぱいで、大学で出来た友達もほんの少しはいるし、それ以外の知り合いなんていなくたって夫がいれば特に寂しいとも心細いとも感じないけれど、仕事をやめてしまったら、どうなるかわかりません。知り合いたいから知りあうのではなくて、知りあっておいたほうがいいから知りあっておくというのも、大事になってくるのかもしれないなぁ、そろそろ。
 子供が出来ればご近所づきあいが始まるのだろうから、それまではもう少し、まるで夫と二人で生きているみたいな錯覚に陥って気楽に暮らしていてもまぁいいのかなぁ・・・・・・と、そんなことをうっすら思いながら歩いていたら、横で夫が何だったかイラッとすることを言ってきたので、冗談で彼の頬を軽くペシッと叩いたら、汗ばんでいたせいか思いのほか本気っぽい音がでてしまい、「外でそういうことしたら、周りの人に驚かれるでしょうが。ふたりしか生きてないんじゃないんだから」と冷たく叱られて、調子に乗りすぎてヨーヨーが破裂してしまった子供みたいに気がふさぎました。夫は、人が弱った瞬間にその弱った部分を見抜いているかのように突き刺すので、一緒にいるとしばしば重傷を負います。理屈で勝てないからどうしても手が出るのです。でも確かにいきなりそばで女が男の頬を叩いたらぎょっとするだろうから、今度からは家まで我慢するようにしようと思います。堪え性がなくていけません。
 明日は日曜日。夫は仕事なので、一日家で、部屋の掃除をしたり、ドラえもんを読んだり、ドラクエのレベル上げをしたりする予定です。いいのだいいのだそれが許されるうちは、したいことしかしたくない、欲しいものしかほしくない。
by papiko-gokko | 2009-07-25 22:49 | Diary
純情を最初で最後の武器にして焼けた浜辺に零すサイダー
 一日中、雨が降ったり止んだりしています。出かけの道と帰り道、ちょうど同じお寺の脇を通っている時に急に雨足が強まって、そのお寺を通り抜けると同じように弱まったので、自分が雨の強さをつかさどっているような気分になりました。帰りの時には、打ちつける雨に逆らうように、すさまじい雨音のすき間から鐘の音が何度も聞こえてきて、ずぶぬれになりながら鐘を打つ和尚さんの姿を思い浮かべながら通り過ぎました。鐘を打つ場所にもちゃんと屋根があって平気だったのかな。それとも滝に打たれて修行を積んだ和尚さんだから、雨粒など相手にしないのかな。暑さが和らいだのは有難いけれど、だらだら雨が降り続くのも、いやだなぁ。メリハリのある夏希望。

 藤子・F・不二雄大全集が、ついに今月から発売開始となり、今月発売された「ドラえもん①」「パーマン①」「おばけのQ太郎①」の3巻を、夫が喜び勇んで買ってきました。3冊とも立派で、特にドラえもんは辞書ほどの分厚さがあります。嬉しい!ひと月に2~3巻ずつの割合で出版され数年間かけて全巻出揃うのだそうで、まだまだ先は長いのですが、夫は全巻そろえる気満々でいます。そのために、新しい本棚を買うとまで言っています。果たして数年後、我が家には藤子・F・不二雄全集が、新しい本棚にずらりと並んでいるのでしょうか。ドラえもんのタイムマシーンで見てきたい気分です。いずれにしても、うちはもうずっと深刻な本棚不足なので、この機会に、しっかり収納できる本棚を探そうかな。

 ここ最近少しずつお昼休みに読んでいる夏目漱石「道草」には、しびれる文章が多く出てきます。思想と文章と登場人物との間に常に一定の距離が保たれており、ぶれることなく美しく、騒がしいこの世の景色を水面に映しながら、穏やかに黙々と流れてゆく小川のような文章。この人から日本語を学べば間違いなかろうという気がしてきます。さすがお札になった人。読んでいない作品、この夏に全部読もう。涼しいうちに、いっぱい読み進めておこう。最後に「道草」より、今日しびれた文章をひとつ。 
『彼のノートもまた暑苦しいほど細かな字で書き下された。蠅の頭というより外に形容のしようのないその草稿を、なるべくだけ余計拵えるのが、その時の彼に取っては、何よりの愉快であった。そして苦痛であった。また義務であった。』
 自分にとって本当に必要で手放せないことに取り組む時って、愉快と苦痛と義務とが、同時に発生するものなのか。
by papiko-gokko | 2009-07-24 22:36 | Diary
叱られて構わないから向き合って遅刻の訳を答えたかった
 世紀の大寝坊。変な操作をしてアラームを止めてしまっていたらしく、普段会社についてちょうどタイムカードを押しているぐらいの時間に目を覚ましました。時計を見て跳ね起き、これは遅刻確定だと認識すると同時に、焦りよりもむしろ、沖へ遠ざかっていく舟でも眺めているような変に落ち着いた気分になり、目覚ましを握りしめたまましばらくフリーズしていました。社会人失格です。
 遅刻した月は減給になるので、それならいっそ有給をつかって仮病で休んでしまおうか・・・とも一瞬考えましたが、しかし、それはみんなに少なからず迷惑をかけることになるし、「仮病はこの世で一番重い病気だ」というブラックジャック先生の言葉が頭をよぎったので、ぐずつく責任感をたたき起こして、心臓が胃に食い込みそうなほど重く気まずい思いで、会社に遅刻する旨を伝える電話をかけました。
 二度のコール音のあと、すばやく電話にでたのはお調子者の営業さんで、肩の力が抜けるほどほっとしました。この営業さんは、ちょっと口数が多くていらないことを口走るのでイラッとさせられることもあるけれど、そのぶん親しみやすく人間味があって、同じ西日本出身者ということもあってか、私が社内で一番安心感を抱いている人なのです。「本日少し遅れて出社します、すみません」と伝えると、まず普通に「ほい、わかりました」と返事をしてから、ひゅっと声を潜めておかしそうに「どした、寝坊したん?」と聞かれ、電場番号を押しながら高速で遅刻の言い訳を考えていたのに、「はい・・・そうです、ごめんなさい・・・」と正直に答えてしまいました。あぁ、電話にでたのがお調子者の営業さんで、本当によかった。他の人だったら、嘘をついてしまったかもしれません。そもそも他の人だったら、内心では寝坊だろうかと思っても口にださなかっただろうから、気まずい思いのまま電話を切らなければなりませんでした。
 電話を切ったらあとはとにかく、大急ぎで支度をして朝食抜きで家を出ました。いつもと変わらない道のはずなのに、時間に間に合うよう急ぐ必要性を失くした通勤路を歩くのは、なんだか、ゴールテープがとっくの昔に切られて選手が去ったあとのトラックをひとりで走っているようで、ひどくうつろな気持ちでした。守ってきたリズムとかルートをほんの一歩抜けてしまうと、こんなにも日々は広々として、寂しいのか。
 会社へはほぼ30分近くの遅れでなんとか到着し、「みちくさ一年生」という児童書の廊下のシーンを思い出しながら扉を開けて、すぐに担当の営業さんと営業部トップの上司に謝罪しました。どちらも、「あ、はい、わかりました」という程度で、特にお叱りを受けることもなく、理由を尋ねられることもありませんでした。学校と違い、わざわざ叱ってなどくれません。そのかわりただ、給料が減るというシリアスなしくみなのです。自分がそんなシリアスなしくみの中で生きていることに、ルールをはみ出してはじめて気付かされました。こわい、こわい。
 最近せっかくうまいぐあいに自分の仕事リズムをつくれていたのに、遅刻で一気に調子が狂ってしまった感じがして、目標がぐたぐたぐだっとドミノ倒しになって、自分が昨日までどういう意識で仕事をしていたのかも、不意打ちで黒板の板書を消されてしまったように、はっと思い出せなくなりました。自業自得です。
 どうにも集中できなくて、わーもう逃げたいよう逃げたいようと思いながらエクセルと格闘していたら、朝電話をとったお調子者の営業さんが外回りから帰ってきて、後ろを通り過ぎるとき、私の着ていたパーカーのフードに、ぽすんと何かを落としました。ひゃっとなってあわててパーカーから取ると、それはチョコ味のアイスバーでした。この営業さん、夏がきてから毎日のように、事務員みんなにアイスクリームを買って帰ってくれるのです。わぁありがとうございますと笑ったら、ふうっと心の中がやわらかくなって、逃げたい欲求も消えました。今日はお調子者の営業さんに救われた一日だったなぁ。ありがとう。他者に興味をもって接することのできる人って、いいなぁ。理由を尋ねてもらえるだけで、救われることもあるんだなぁ。アイスバー1本で、前を向けることもあるんだなぁ。
 アイスバーとても美味しかったから、今日はしっかり寝坊の反省をして、明日からまた、気持ちを立て直してがんばろう。こうして自分を時間に管理させるのも、仕事のうち。

 仕事から帰って来た夫が、スピッツで聴きたい歌があるんだけどといって、「ふぁんははんふぁんはん」と頼りない音程で鼻歌を歌い始め、集中して耳を傾けているうちになんとか「青い車」のサビであることがわかって、化石を発掘したみたいに嬉しくなりました。職場のラジオで流れて、これはなかなかいい歌だと思ったそうです。うんうん、「青い車」、この季節にぴったり。ラジオにリクエストしてくれた誰かさん、夫にきっかけをくれてありがとう。 
by papiko-gokko | 2009-07-23 21:23 | Diary
眩しさをさえぎるものは手のひらで十分だから雨雲よ去れ
 朝降っていた雨が昼まえにはあがり、私はずっと会社のなかにいて空を見上げられませんでしたが、関東でも皆既日食がそれなりに観測できたようです。「そんなら窓からでも、空を見上げてみればよかったなぁー」と、営業さんが残念がっていました。本当、郵便でも出しに行くふりをして、見上げてみればよかったなぁ。
 我が家では2週間も前から夫が「いや、皆既日食とかつまらないし」「だって、皆既日食って別に面白くないし」「ていうか、皆既日食ってまったく興味ないし」と、ぶつくさしきりに皆既日食皆既日食と言っていたので、ただ、へーひさしぶりなのかーという程度でほとんど聞き流していた私も、そのおかげで今日が皆既日食の日だということを忘れず意識して過ごすことができました。
 夫はひねくれものですが、それでいてなんだかんだで、世間のいろいろなことに食いつきます。食いついて咀嚼してから、こんな味付けは云々と、ひねくれたことを言います。私なんかは大抵、それが食いつけるものであるということにも気付かずにしらっと通り過ぎるので、ひねくれながらもひとまず食いつき体内に取り入れて考えるその姿勢を、尊敬します。次の皆既日食のころには子供とか孫とかいたりして、大賑わいで見られたら素敵だな。「お父さんたら前の皆既日食のとき、すごい食いつきだったんだよ」と、話して聞かせよう。
 
 大学の4年間で一体自分が何を学んだのか思い出したくなって、衝動的に、大学時代のノートや教科書が詰め込んである段ボールを、納戸からひっぱりだしてみました。一番奥のほうに押し込んであったそれは、しんなりとして埃をかぶっており、時の流れを感じさせるその雰囲気に、期待がふくらみました。
 しかし、ノートはどれもみごとなまでに私の期待を裏切り倒しました。まず字が汚くて読む気がしないし、罫線をぐらぐらはみだしているし、色分けもしていないし、とりあえず板書を写しただけという感じで、まるで要点がまとめられていません。そのうえ、どのページも眠気覚ましに書いたであろうどうでもいいラクガキが散らかっていて、そちらのほうにばかり目が行ってしまうのです。嗚呼そうだった、中高生のころも私はノートをとるのが下手で、自分のとったノートが試験勉強に役立ったためしがないのだった・・・段ボールをひっぱり出す前に、気付くべきでした。ノートの内容を読む気にはならなくても、めくるごとにその日受けた授業の様子やそこで思ったことなどはうすぼんやりと思いだすことができて、もっとノートにとることがいくらでもあったはずなのに・・・と、見れば見るほど悔やまれました。
 段ボールの中には、ノートと教科書のほかに、ゼミ雑誌も入っていました。文芸学科では一年に一度ゼミごとに、ひとり一作以上ずつ小説・論文・詩の文芸作品を提出して、ゼミ雑誌というものを作ることになっているのです。一年生のとき、私は小説を書きました。当時の自分のような主人公を一人称で書いた私小説っぽい物語です。自分では完全に失敗作だと思っていて、これまでずっと読み返せずにいたのですが、あれから6年の歳月を経て今ようやく恐る恐る読み返してみると、思っていたほどひどくはなく、むしろ2年生や3年生のときよりもずっと本気で真剣に文章を書いている感じがして、今まで失敗作だと思い込んでいたことにショックをうけました。長いこと読み返せなかったものを、今これほどすんなり受け入れて読めたのは、その文章が優秀だからではなく、今の私にはもう書けない種類のものだったからだと思います。今の自分にはもう書けない過去の自分の文章は、うまい下手に関わらず、私にとって愛しい存在です。そのときしか書けない文章があるから、いつまでも文章をかくのはやめられません。
 それに気づけただけでも、段ボールをひっぱりだした意味はあったと、ちょっと無理やりだけど思うことにして、また再び納戸の一番奥へ仕舞いこみました。段ボールの手前には、非常用持ち出し袋がどんと置いてあります。願わくば、この袋よりも奥の段ボールを出す頻度のほうが何倍も多いですように。非常用持ち出し袋は、常に邪魔な存在でありますように。
by papiko-gokko | 2009-07-23 00:23 | Diary
雨だった魔法の剣を手に入れて冒険の書に書きこんだ夜
 連休明けの火曜日。月曜日のような気分が抜けないまま一日が終わりました。今日は雨が降ってくれたおかげで比較的涼しくて、救われた気分です。このすきに体力を回復させるべく、夜ごはんに冷しゃぶをたらふく食べました。8月は有給をとって実家にも帰るし、夏に負けている場合ではありません。
 仕事中、請求書を速達で送るため霧雨の中をポストに走りながら、昨日よりも心がずっと軽いことに気付きました。長い時間ひとりで家にいると、みえない影ばかり相手にしてしまって、恐がってもしかたのないことまで恐くなってきます。それよりは会社にいって働き、その場その場で実際に起こる苛立ちや悔しさに立ち向かっているほうが、活力がわいてくるみたいです。もしかして、これもひとつの仕事人間?いやいや、そうではないはず。私は仕事が大切なのではなくて、大切なことをまもるために、仕事をしているんだ、あくまでも。

 このたび、夫がめくるめく冒険を楽しんでいるドラクエ9で、私は主人公とその仲間たちのレベル上げ係りに就任しました。街の人の話をきいて物語を進めたり、武器を売り買いしたりは苦手ですが、敵と戦って経験値を稼ぐのは、単純作業だし成果がわかりやすくて好きなのです。敵と戦うことで経験値が得られ、その経験値が増えると戦士のレベルがアップしていって、そのたび攻撃力や防御力が強くなったり、新しい呪文を覚えたりするので、自分のがんばりが認められたのだという快感と達成感を得られます。
 経験値稼ぎのために、たくさん経験値をくれるタイプの魔物を探しては倒し、探しては倒し、地道に倒し続け、もう、かなり強くなってきました。そういえばドラクエ7のころ、妹のレベル上げもちょっと手伝ったような。夫も妹も、私がレベルをあげておくと、感謝してくれます。こんな楽しいことを私に任せて、感謝してもらえるだなんて、不思議です。今はレベル30近くまでいっているので、99目指して、戦い続けよう。
by papiko-gokko | 2009-07-22 00:39 | Diary


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