日記と短歌
by papiko
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会いたいねまた会いたいねいつまでも会いたいねって言い合いたいね
 朝五時半、準備万端で玄関を開けると、外はまだ真っ暗で、けれども空気は真新しく、冷え切っていました。人気のない道に整然と並ぶ、夜明け寸前の街灯は、夜更けのそれよりも力強く凛としてみえました。みんなが眠る間も一晩中、灯りつづけていたのだものな。
 始発の山手線から、夜が明けていくい東京をみました。切り絵のようにくっきり黒いシルエットだったビル群が、空が明るみはじめるにつれて、だんだんと立体感を帯び、太陽の昇る速度でそれぞれの色合いを取り戻していきます。ゆっくりゆっくり進んでいくそれは、海底に沈んでいた街が、ざばぁっと顔をだしたようでもあり、張り巡らされていた薄紙が光に溶かされていくようでもあり、その静けさとすがすがしさに引き込まれながら、「はじまり」という言葉は、こんな朝の景色のなかで生まれたに違いないと思いました。今年最後の東京の夜明け、下手すりゃ絶望しそうなほどに、揺るぎなく美しいじゃないか。
 7時前、品川駅についた頃には、もうほぼ眩しい朝でした。無事予定の新幹線に乗り指定席に落ち着いて、窓の外を見遣れば、朝の光を反射して真っ直ぐに立つ、ぴかぴかのビルたち。あぁ、朝でも昼でも日暮でも、帰省の車窓から眺める東京が、一番かっこよくて眩しい。始めて上京したときに抱いたそのままの憧れが、視界を駆け抜けてゆきます。私がいてもいなくても、びくともしない大東京。
 新幹線にのってからしばらくの間、旅慣れていない夫は、あたふたお菓子をだしたりいれたり、本を開いたり閉じたり、ミニワープロで文章を打ちかけてやめたり、落ち着きなく動いていました。そして彼がようやく落ち着きを取り戻した頃、車内のあちらこちらから「ふじ」「あれあそこ」「ほんとだふじ」「ふじさん」とという言葉が聞こえはじめ、みんなが見ているほうの窓を見ると、なるほどそこには、真っ白雪帽子の大きな富士山が、冬の青空をバックにくっきりと見えていたのでした。これまで何度も新幹線に乗ってきましたが、こんな裾からてっぺんまでくっきりとした大きな富士山を見たのは初めてで、私も思わず読書している夫の肩をバシバシ叩いて、「ふじ!あそこふじ!」と、窓のほうを指差してしまいました。富士を見た夫は、「ほう、リアル」とのんびり言い、またすぐ本に目を落としました。富士には活字がよく似合う。
 富士山に興奮し終わったら、まもなく眠気がきて、30分ほど眠り、目を覚ますと夫が窓の外の雪景色に感動していました。富士より雪が珍しいのか。そうしてこの日記を打っているうちに、雪はまたなくなり、もうすぐ岡山です。故郷がぐんぐんと、近づいてきました。

 以上、これが、今年最後の日記。今年も一年、書き続けられて、よかった。なにがあってもなくても、ひたすらに日々は過ぎていくから、来年もともかく、そのとき書けることを書き続けていきたいです。ありがとうございました。
by papiko-gokko | 2008-12-31 11:05 | Diary
「ありがとう」より的確な挨拶を探せばそれは「大好き」になる
 忘年会から、今、帰ってきたところです。あぁ、日記に書かなくちゃ、今日のことはどうしたって書かなくちゃと、まだ、酔いが醒めないのに、ぽらぽらした頭で、パソコンを起動しました。だって、今日はとても、とても、嬉しかった。

 「今年は、原油高や、急激な景気悪化などで、うちの業界も厳しいわけですが・・・来年は各々、より一層気を引き締め、経費削減を心がけて・・・」と、営業部トップである上司のちょっと堅苦しい感じの挨拶から始まった飲み会でしたが、十分もたてばみんなほのぼの酔いがまわって、わいわい、次第に空気もほぐれてきました。いつも飲み会のたび一番最初に酔っ払っちゃってはしゃぎはじめるムードメーカー的存在の営業さんが、今日も場の雰囲気をどんどん盛り上げてくれて、そこからどんどん、みんながけらけら、笑うようになりました。
 明日が早いし私は今回チューハイ2杯ぐらいでやめておこうと思っていたのですが、担当の営業さんから「ぱぴこさん、ふたりで泡盛飲もうよ」と言われて、担当の営業さんからそう言ってもらえたらそりゃあ飲みたくなるわけで、飲んだらこれがなんとも美味しくて、ついつい、結局のところ、割と普通に飲んでしまいました。あぁ、お酒って、なんでこんなに素晴らしいのだろ。人と人との間に流れる、時間とか距離とか、そんなの同じお酒を飲めば綺麗に、ひんまがってしまうんだ。帰省の為に明日の朝が五時起きなのは私だけじゃなく、私のほかに三人も同じ人がいて、みんなそれなりに飲んでいたようなので、仲間がいると思えば、多少明日に響いたとしても、がんばれます。どうか、明日に響きませんように・・・。
 ほどよく酔いが回って年を忘れたころ、トイレにたって洗面台の鏡をみたら、そこに映った私の顔が、なんだか笑っていて、楽しそうで、あぁそうか、私はこの一年間を、割と楽しんだんだなぁと、気づきました。うん、仕事だから、仕事上の嫌なことも盛りだくさんではあったけれど、けれども、最後にこうして笑えているということは、それなりに、いい一年だったんだなぁ。これまで、仕事の飲み会では、洗面台でふと鏡に目を向けるといつもそこには、げっそりくたびれた顔が映っていたのに、今日は、心なしか、笑っているなんて。

 営業部を代表して、担当の営業さんに赤ちゃんの生まれたお祝いを渡すタイミングは、渡そうと決意してプレゼントを出した瞬間に、営業部トップの上司がトイレに立つというアクシデントに見舞われ、「タイミングわる!」と、みごとにみんなから爆笑されてしまいましたが、その後、なんとか、無事に渡すことができました。あぁ、タイミングをはかるのとか、本当、だめだなぁ。でも、喜んでくれたので、よかったです。赤ちゃんが毎日夜泣きして大変だけど、やっぱり可愛いんですと、そんな、お父さんなお話も、聞くことができました。
 普段は眉間にしわを寄せてピリピリ仕事をしている営業さんたちが、クラスの男子みたいにじゃれ合いふざけ合っているレアな写真をとりあったり、特徴的な取引先の人について話したりしているうち、あっというまに時間は流れて行きました。担当の営業さんと、少しだけだけど、B'zの話ができて、幸せでした。好きな人と好きなことの話をできるなんて、こんな輝かしい時間はありません。きゃあ。

 大いに盛り上がってお開きになり、私は一次会でさよならだったため、「今年はありがとうございました、よいお年をお迎えください」とみんなにあいさつをしたら、ムードメーカーの営業さんと、困ったときにいつも手を差し伸べてくれるハートの熱い営業さんが同時に握手をしてくれて、ムードメーカーの営業さんに、「よいお年を迎えようよねー」といいながら、私が首につけていた耳当てを、耳にすぽんとはめられてしまいました。
 そして、なんと、普段スパルタでクールな、私の担当の営業さんまでもが、最後に、私のところへきて、握手をしてくれたのです。来年もがんばろうねって、握手をしてくれましたのです。それだけで、私の事務員人生2008は、もう、輝いたのです。握手をした瞬間に、一年間の嫌なことは砕け散り、楽しかったことは、かけがえのないアクセサリーとなって、私の身についたのです。だって、認められたいなぁといつも思っていた人に、がんばろうねって、握手をしてもらえたのだから。きっと、これからも担当の営業さんは、スパルタでクールですが、握手を思い出して、がんばります。営業事務っていい仕事だなぁと、今日、初めて、真正面から思いました。
 去年やその前は、忘年会なんて、楽しさよりも緊張や苦痛が勝っていた気がします。けれども今年は本当に、楽しむことができました。忘年会が、こんなふうに、楽しかったということは、今年は、よかったんだと思います。終わりよければすべてよしとは、よくいったものだなぁ。来年はななるべく、「あーもーうちくしょー辞めたい」って、軽々しく思わないように心がけます。
 最後に、あぁみんなありがとう大好きだなぁと思えたから、今年は、いい仕事の一年でした。
by papiko-gokko | 2008-12-30 23:19 | Diary
君だけはこれから先も旧姓で呼んでください封印として
 帰省の準備と家の大掃除が、今夜ようやく終わりました。家はなんとか納得のいく程度には綺麗になったし、衣類を詰め込んだボストンバックに関しては、長時間の移動で荷物を持ち歩くのが辛いため、今日のうちに宅急便で送っておいたし、あとは明後日、無事に新幹線が動くことを祈るのみです。
 明日まで仕事はあるのだけれど、なんだか気が急いて、頭の中は、もうすっかり年越し気分です。それは私だけではないようで、今日は職場のみんなもどこか浮足立っていました。今日のうちに事務処理はほとんど全部終わらせたので、明日は営業部の大掃除になりそうです。
 明日は営業部の忘年会もあります。取引先はみんな正月休みに入っていてどうせ電話もならないし、みんな定時に仕事を切り上げて、早めに飲み始める予定です。私は明後日、朝五時に起きて品川駅に向かわねばならないので、一次会までしか参加できませんが、毎日営業部で働いて、嬉しいことも嫌な事もあった一年間、いろんなことを思い出してそれから忘れて、軽やかに笑いあえたらいいな。飲み会の途中、担当の営業さんに、タイミングよくお祝いを渡せるかどうか、それが甚だ不安だ・・・

 帰省中、乗り物のなかで音楽を聴くので、少しぐらい新しい音楽も入れておきたいなぁと思い、Superflyの「愛をこめて花束を」と「ハロー・ハロー」を、iTunesで購入しました。どちらも先日はじめて聴いて、言葉の感じと歌声を好きになったのです。他者に対して肯定的な、気持ちのいい歌。

 
by papiko-gokko | 2008-12-29 23:01 | Diary
測られているのは私ものさしの刺さった心だれの基準値
 幸せは人と比べて決めるものじゃないんだなと、そんな、すでに散々あちこちで聞かされてきたようなことを、今、はっと実感しています。結局、他者の実感を何度わかりやすい言葉に変えて聞かされ読まされ知ったところで、実際に自分自身で経験して生々しい想いを積み重ねて得た実感には、かないません。現に、まるで初めて知ったことのような気持ちで、私は今、そのことをこうして、書いているのだから。
 幸せの感覚は、人と比べたら比べたぶんだけ草臥れすり減ってしまうだけだから、むやみやたらと比べないこと。同時に、人が幸せか否かについても、一面だけを見て安易に決めつけないこと。今の自分の幸せを決めるのは、他人の評価ではなく、過去と未来の自分の視線であろう、ということ。以上、私の、まるであたらしい実感。またいずれは揺らぐかもしれない、けれども今のところは確かな、私の実感。

***

 稲葉さんが、かっこよすぎます。夫からクリスマスプレゼントでもらったB,zのDVD、結局帰省まで我慢できずに早速堪能中なのですが、とんでもなく、とてつもなく、いい!二十年間のライブ映像がただ収納されているのではなく、一曲ごとに時代を変えながら、途切れなく繋げられていて、ひとつのLIVEのように仕上げられているのです。夢中でLIVEに溺れているうちに、あっという間に二時間が立ちました。
 もうもうまったく稲葉さん、いつの時代も最高にかっこよくて、最高にセクシーで、最高に最高(但し、長髪時代と髭時代は、ちょっと好みじゃない…)。この人の生み出す言葉、発する声、確かめるような表情、扇情的なパフォーマンス、さりげないしぐさ、それらひとつひとつの一瞬一瞬いちいちが、私の一番しまつにおえない部分を、繊細に撫で回し、そして大胆に掴み、どこまでもいつまでも、私を虜にするのです。
 あぁ、今年も、稲葉さんに燃えて震えて溶けた一年だったなぁ。素敵な仕事を、どうもありがとう。
by papiko-gokko | 2008-12-28 00:31 | Diary
はじめから違うふたりの大切をひとつの箱に並べて仕舞う
 取引先の多くが今日仕事納めだったようで、請求書の発行に追われた一日でした。いいなぁ。私は来週の火曜日、30日が仕事納めです。そして無事に仕事を納めたあとは、そのまま営業部の忘年会があります。ひさびさの飲み会、誰とどんなことをどのくらい話せるのだろう。
 この飲み会に関して、私はちょっと重大な役割を担いました。飲み会の席で、先日赤ちゃんが生まれた営業さんに、営業部一同からの出産祝いを渡そうということになり、そのお祝いを、彼の担当事務員である私が選ぶことになったのです。明日、実家へのお土産を買いに出かける予定なので、そのとき一緒に選ぶ予定なのですが、まだ何にするか、決め兼ねています。毎日顔を合わせていながら、趣味をほとんど知らないのです。私と唯一の共通点ということで、B'zを好きだということだけは知っているのですが、その他の好きなものについては、ほとんど聞いたことがありません。たまに、パチスロの話をしているような気がするけれど、お祝いにパチスロ雑誌は変だし、やっぱり、いくつあってもいいような赤ちゃん用便利グッズにしようかなぁ。

***

 夫婦と恋人って違うんだなぁと、最近いろいろな生活の場面で実感しています。たとえば、目の前に困難があるとき、励まし合うのが恋人、背負い合うのが夫婦。嬉しいことのあったとき、語り合い分け合うのが恋人、相談し合って同じところに仕舞うのが夫婦。
 今日、職場である人が、奥さんのことを「連れ合い」と表現していて、あ、いいなぁと思いました。連れ合い。軽やかでさり気ないけれど強固な感じのする、いい響きの言葉です。10年前は存在を知りさえしなかった夫の人生の、過去も含めて今や私は当事者なんだ。人生には、甘くないことがまったく多いようだけれど、がっちり連れ合って行こうじゃないかと、改めて、腹をくくりました。
by papiko-gokko | 2008-12-27 01:25 | Diary
クリスマスイブ
 夏に出産のため仕事を辞めた先輩事務員さんが、今日、三か月の赤ちゃんを抱っこして、営業部へお披露目にきました。ぷくぷくほっぺの、ひゃくひゃく笑う女の子。生まれてほんの数日後に病院で見せてもらった時より、随分まるく大きくなっていました。
 残念ながら営業さんたちはすでにみんな外回りに出かけてしまっていたのですが、接客用のテーブルに毛布を広げて赤ちゃんを寝かせ、お昼休みの間じゅう、事務員みんなでわいわい眺めました。他の部署からも事務員さんが代わる代わるやってきて、「可愛い!」「つるつる!」と、口ぐちに感嘆の声を漏らし、誰もが長いこと眺めていました。いつもは気難しい佇まいで部屋の片隅を陣取っている長方形のテーブルも、赤ちゃんのベッドになったとたんにほころんで穏やかな揺りかごとなり、会社だということを忘れるほど、可愛い優しい時間が流れました。
 赤ちゃんが笑うと、どうしてあんなに、わぁ笑った・・!と、そのたび流れ星でも見つけたように感動するのでしょうか。生まれて間もない人間の表情に、感情を見出すことが、どうしてこんなに、幸せなのでしょうか。その存在の清さが、溢れこぼれるような瞬間。
 しばらくは手足をばたばたさせてご機嫌だった赤ちゃんも、たくさんの大人にかわるがわる見られるうちにだんだん疲れて眠たくなってきたようで、しばらくしゅんしゅん鼻を鳴らしてから、眠ってしまいました。赤ちゃんを抱っこして、「変わらないねえ」と言いながら営業部のフロアをゆっくり歩く先輩事務員さんは、一緒に働いていたときの先輩とは、もう違っていました。完全に、ひとりのためのお母さんでした。
 赤ちゃんと先輩が帰ってしまうと、魔法が解けたようにテーブルはまた堅苦しい接客テーブルに戻り、笑顔が特別じゃなくなり、パソコンを打つ音と電話の鳴る音がきりきり際立ついつもの営業部に戻ってしまいましたが、クリスマスイブにふさわしい出来事だったなぁ。先輩の赤ちゃんや、先日生まれたばかりの営業さんの赤ちゃんや、それから九月に生まれた義姉の赤ちゃんの、わぁ笑った!が、どんどんどんどん、厚みを帯びて彩り豊かに、増えていきますように。

**

 会社帰り、駅構内のケーキ屋さんには、すごい行列ができていました。クリスマスにはみんなちゃんと、ケーキを食べるんだなぁ。我が家でも、私がケーキ、夫がチキンを買って帰ることになっていて、私は駅構内のケーキ屋さんで買う気満々だったのですが、行列があんまりすごいので速やかに諦め、すぐそばのスーパーで大量に売られていたホールケーキを買いました。私の前のおじさんも私と同じケーキを買っていて、あぁこの人の家と同じケーキでクリスマスをお祝いするんだなぁと思うと、妙に親近感が沸いてくるのでした。
 ケーキの箱を持ってお店を出ると、同じようにケーキの箱を持った人や、シャンパンらしきものの入った長ぼそい袋を自転車のかごに乗せている人、ケンタッキーを買っている人などがあちらこちらにいて、胸がきゅんとなり、「幸せ」という言葉について思いました。幸せは、涙ぐましい。
 今年のクリスマスプレゼント、私はB'zの最新DVDをもらいました。やった! 12月10日に発売していたのですが、高くて買えなかったのです。実家に持って帰って、大きいテレビで堪能しようと思います。わくわく・・・。夫には、可愛いコートをあげました。ただしちょっとプレゼントには高すぎるので、私が出すのは半額だけです。毎年クリスマスと誕生日にプレゼント交換をしていると、いつ何をあげたか忘れるので、日記にこうして書いておくのは大事です。
by papiko-gokko | 2008-12-24 22:35 | Diary
偽りのエンドロールが止まらない決着なんてつくはずがない
 人が生まれたてのときに持っている感情は、快と不快だけなのだと、学生のころ家庭科の授業で習いました。そこから人として育てられていく過程で、どんどん感情が枝分かれして複雑化していくのだそうです。
 昨日会社で、ある強い苛立ちによって自意識が急速に存在感を増したとき、仕事中の自分の感情が、まるで生まれて間もない人のように、単純化されていることに気付きました。嫌悪感、達成感、焦燥感。だいたいこのたった三つの感情を行ったり来たりしているうちに、私の勤務時間は過ぎていきます。仕事のことではなるべく無駄に悩んだり悲しくなったりしたくないから、感情の動きに注意を向けないように向けないようにしているうちに、仕事中の感情変化機能はだんだんと退化して、枝分かれしていたはずの枝が朽ちて折れて、必要最低限、というより、どうしても避け難い感情だけが、残ってしまったようです。
 この退化がさらに進んだ場合、最終的にただひとつ残るのは、嫌悪感なのではないかと、強い苛立ちの中で思いました。私が私を手放さない限り、外部のあれこれに対して嫌悪感を抱かないことは、できないだろうからです。嫌悪感が自分を保っている証明になるなんて、悲しいけれど、会社ではそれが一番、見つけやすい自我なので、私はそれを一番最後まで、手放さないでしょう。

***

 祝日の今日は、少しだけはりきって大掃除。窓を拭いて結露防止の液を塗って、窓のサンにたまった砂を、割り箸にくくりつけたぼろ雑巾でごしごし擦って綺麗にしました。実家にいたころ、年末が近づいてくると母が大掃除の役割分担表をつくり、どういうわけか、私は毎年窓ふき担当でした。だから、大掃除といえばまずは窓ふきなのです。ちなみに上の妹はお風呂掃除、下の妹は散らかし放題の自分の部屋片付け、母が台所の換気扇掃除で、ツリーやら使わなくなったものを屋根裏に片付けるのが父。大体いつもそんな分担でした。
 不思議なもので、実家では毎年、寒くて面倒くさいわぁとぶーぶー文句たれながら渋々やっていたし、親元を離れてからも、一人暮らしのうちは大掃除なんて呼べることほとんどしていなかったのに、結婚して自分と夫との生活を持つと、母のしていたのと同じことを、しなくては気が済まないようなのです。換気扇もやらなくちゃ、あと、納戸にあれを片づけてしまわなくちゃと、あれは重たいから夫に頼んで・・・と、わたわた計画を立てている自分に気づいて、なんだかおかしくなりました。そのうち、分担表を作り始めそう。

***

 きれいな音楽を聴いて、それに溶け込むくらいの、きれいな言葉を、発見したいと思いました。言葉がもっと欲しいと求めるために、見つけた言葉を愛するために、きれいな音楽は不可欠です。そんなわけで、今日聴いた、きれいな歌を三連発、ここに。
 
 ハウス北海道シチューのCMで流れる、ウルフルズの曲。「あったかい、あったかい、なにかいいことあったかい? あったかい、あったかい、誰かいい人に出会ったかい?」という歌詞に、ずきゅんと心を射抜かれました。なんてウルフルズらしい、生活に寄り添った歌詞だろう!CM用につくった曲で、今のところ発売は未定なのだとか。ここ以外の歌詞も知りたいから、発売してほしいなぁ。

 『手紙~拝啓、十五の君へ~』(アンジェラアキ)。ちょっと、なにこのいい歌・・・! アンジェラアキ、歌い方も言葉も大げさすぎるイメージがあって今まであまり聴こうとしていなかったのだけれど、夫がいい歌だというので聴いてみて、やられました。私も過去の自分に、手紙を書きたくなりました。十五のころよりも、私の学生生活で最も毎日がしんどかった十三のころの私に、書いてあげたいなぁ。大丈夫だよ気にするなよと何回も。
 しかもこの曲、NHK全国合唱コンクール中学生の部の、課題曲だったようなのです。私も中学校のころ合唱部で、NHKコンクールの課題曲も歌っていました。まさに十五歳当時の思い出です。これが課題曲だなんて、羨ましい! 合唱バージョンは、こちら。私は合唱バージョンのほうが、思い出をじかに刺激されて、胸が熱くなります。NHKの全国大会は東京であるので、みんなで東京に行きたくて、一生懸命練習しました。しかし、今合唱部のころの出来事を思い出そうとしても、窓の外で走りまわっていたサッカー部の姿ばかり浮かんでくるのは、私が不真面目だった証拠でしょうか。

 Queen's decade(the unperson)。一番上の曲です。夜明け前の旅人のような、生暖かい風の吹き抜けていく草原のような、特別な物語のオープニングを思わせる旋律。これは、私にしては珍しく英語の曲なのですが、この音楽をつくっているのは日本人の方で、外国に住んで音楽をつくる傍ら短歌も詠んでおられて、だから私は短歌を通じて知りました。
 the unpersonの他の音楽もこちらで聴くことができます。ガラス張りの部屋のなかで、程よく濁ったぬるま湯に身を浸して、湯気でだんだんと曇ってゆくガラスの向こうで動きつづける世界を眺めているような、そんなイメージの音楽。心地よくて不安で、揺らめきのなかでうとうとしているうちに、いつの間にか頭まで水につかっていたことに気づいて、呼吸の在り処を忘れかけ、慌ててぷはっと顔をあげ息を吸い込むと、水滴に洗われたガラス張りの向こうには、夜更けの町の慎ましやかな明かりがいくつか。沈んでも、浮かんでも、うつむいても、みあげても、どうしても、ありつづける現実。
by papiko-gokko | 2008-12-23 21:16 | Diary
少しだけ好きだったかもしれなくて冷やかしすぎてしまう おめでとう
 冬らしい、建物を逆なでるような風が、ザバザバ荒く吹いています。
 年賀状のデザイン作成と印刷で日が暮れた日曜日。牛の絵と「謹賀新年」の文字を夫に書いてもらい、それをパソコンに取り込んで作りました。なかなか可愛い年賀状です。
 夜はM-1グランプリを観ながら、できあがった年賀状に一枚ずつ手書きの挨拶を書いていました。年の瀬だなぁ。M-1、個人的にはナイツかオードリーに優勝してほしかったので、ちょっと残念。年賀状は今ちょうど半分ぐらい書き終えたところで、25日までには、なんとか投函できそうでうです。
 
 昨日は池袋駅へ、帰省の切符を引き取りに行きました。そのついでに少し買い物をしようと駅を出ると、クリスマス直前の街はいつにも増して人が多く、クリスマスイルミネーションが先々週あたり訪れたときよりもさらに色とりどりに灯されて、クリスマス用にデザインされた紙袋をぶらさげて歩く人々とたくさんすれ違いました。自分に買ったものではなく、誰かにあげるために買ったものを持って歩いている人が、今が一年で一番多い季節なのかもしれません。
 そういえば私にも母から、少し早いクリスマスプレゼントが届きました。犬のぬいぐるみがついたブーツキーパーです。それから夫へのプレゼントとして、くつ下三足も入っていました。ブーツキーパー、ちゃんとしたのを持っていなかったのでかなりありがたいのだけれど、この年で母からクリスマスプレゼントとか、もらっていいのかな。
 母は昔からクリスマスというイベントが好きで、毎年、なにかしら小さなツリーの置物やら小さなリースを買っている気がします。だから子供のころ頃には、クリスマスが近づくとみんなで部屋の中を飾り付けしたりしたし、当日の夜には、サンタクロースとしてのお役目も立派に果たしてくれました。今から思えば明らかに母が書いたような、サンタクロースからのお手紙をもらったこともあります。以前にも日記に書いた気がしますが、あれは確か私が『魔女の宅急便』に夢中で、「空飛ぶほうきをください」と頼んだときです。サンタさん、さぞかし困ったのだろうなぁ。枕もとには手紙と一緒に、柄の部分を何色かのビニールテープでくるくるとデコレーションされた、綿あめみたいな桃色の毛の小さなほうき(というよりハタキ?)が、金色の包装紙に包まれて置いてありました。私がもらったクリスマスプレゼントのなかで、一番一番、飛びあがって喜んだプレゼントです。起きて即効パジャマでまたがり、もちろん空は飛べなかったけれど、毎日毎日、飛ぶ練習をして遊びました。
 今年のクリスマス、特に誰かと何かをする予定はありませんが、妹たちはなにやらふたりとも、好きな人と鍋パーティだとかデートだとか、心躍るプランがあるようです。青春だ。子供のころは、あたりまえに家族で過ごしていたクリスマス。父と母は、子どもたちが別の人とクリスマスを過ごすようになっていくことを、どうかしみじみ寂しがったりなどしないで、ふたりでよい夜を過ごしてほしいです。こうしてみんな大人になって、過ごす人は変わっていくけれど、プレゼントを贈る人は、変わっていくのではなくて、増えていくのならばいいなと思います。私も実家に、クリスマスカードを贈ろうかな。お正月には実家に帰るんだけど、まぁ、それはそれ、これはこれ。
by papiko-gokko | 2008-12-22 00:57 | Diary
くすくすと僕の身体をちらかして愛の意味だけきれいに残す
 会社から取引先へ送る年賀状の宛名印刷をし、一言添えて投函しました。会社での年賀状作り、はじめてのときから好きな仕事です。なんだか、あぁ営業部で働いてるんだなぁ!という感じがして。営業さんによっては自分で一筆添えるのですが、私の担当営業さんは去年も一昨年もそうだったように「おまかせします」とのことだったので、私が一枚一枚、営業さんの取引先に同じ一言を添えました。書く言葉は同じでも、いっぱい受注のあった会社には、来年もどうぞよろしくと自分のできる最高の丁寧な文字で、あまり取引のなかった会社には、来年こそは是非ともと筆圧を強くして、自分なりに一年の気持ちを込めて書きました。今年の仕事も、もうすぐ終わりです。

 一昨日の夜生まれたばかりの、担当の営業さんの赤ちゃんを、写真で見せてもらうことができました。口下手の私から営業さんにそんなことをさらりとお願いできるはずはなく、誰とでも気さくに話すことのできる事務員さんが営業さんに赤ちゃんの話を振って、そのおかげで私も見せてもらうことができたのでした。可愛かった・・・!可愛さのあまり感極まって、一言、「かわいい、ふさふさ」というのが、精一杯でした。生まれたてなのに髪の毛が、黒くてふさふさだったのです。将来は、黒髪の美少女になるに違いありません。
 今週は、赤ちゃん誕生のおかげで、楽しい気持ちの一週間になりました。こうしていつでも、人生は素敵なものだと思わせてくれる人が私の周りにはいるから、思い通りにならないことにふてくされながらも、人生を肯定しながら暮らしていくことができるのだと思います。

 明日は、帰省のためにネットで予約した切符を、駅まで引き取りに行きます。師走はやはり、慌ただしい。仕事も生活も、年の瀬モードに突入です。
by papiko-gokko | 2008-12-20 01:29 | Diary
純白の前夜きれいになったねと君に言わせてから巣立ちたい
 夜中まで降り続いた冷たい雨がやみ、寒い寒いと玄関を開ければ、眠気の舞い戻ってくるほど眩しい朝。電車を降りて改札を抜けると、普段見かけない、真っ白な鳩が毛づくろいをしていて、あぁそうか、今日はいい朝なのだなぁと、思わず深呼吸。iPodからは、『Pleasure2008 ~人生の快楽~』が流れ出し、憂鬱を背負い眠気を引きずりながら歩くいつもの朝とは違い、今日はなんだか追い風に急かされるような、走り出したいような気持ちで、前へ前へと会社までの道のりを歩きました。
 会社へ到着して挨拶を交わし、無事、担当の営業さんは、今日からお父さんになっていました。おめでとうございますと言ったら、「あっす、昨日は急にすいませんっした」と、相変わらずのやんちゃ口調で返してくれて、いつもの口調でも、けれどもこの人お父さんなんだわと思うと、パソコンを立ち上げながら顔がにやけてきて、困りました。お父さんじゃなかった知り合いがお父さんになるのを、初めて私は見ました。地球よ今日もおめでとう。なんて、そんなおおげさな言葉も、自然と浮かんできます、身近で人が産まれると。
 
by papiko-gokko | 2008-12-19 00:01 | Diary


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