日記と短歌
by papiko
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可愛い年月を君と暮らせたら
 雨のしとしと降りしきるなか、新しい町へお引っ越し。この三日間は、ただひたすらに荷造りだった。昨日の夜になっても終わらず、本当にどうしようかと思ったけれど、ぎりぎりセーフでなんとかなったのだった。

 春からの数ヶ月間、引越し資金を貯めるため無理やり恋人とふたりで住んでいた狭いワンルームから、荷物がどんどん搬出されていき、2時間足らずでがらんどうになった。がらんどうになった部屋は、窓の存在感が急に増した。窓の外では洗濯物を干すたびに見ていた植木や雑草が雨に打たれて震えていて、あぁそうか、私はこれまでここに住んでいて、そうして今日でていくんだなぁと、これまで本棚が置かれていた壁に寄りかかりながら実感し、そして呆然となった。何もなくなってしまうと、とたんに、ここす数ヶ月の何もかもが、幻のように思えた。ここでごはんを食べて、寝て起きて、いってきますとただいまを繰り返していたんだということが、全部遠い遠い物語のように思えた。そこに自分たちの持ち物がなくなったという、ただそれだけで、日常はあやふやになる。

 搬出に2時間か3時間ぐらいかかったのに対し、新居への搬入のほうは割とあっというまに終わった。水道ガス電気もすべて順調、ネット回線も開通。生活が始まる。ネット依存しまくっていた大学生のころ、引っ越してから2週間ぐらいネットができず瀕死の状態に陥ったことがあるので、それ以来、引越しのたび何を差し置いてもまずはネット開通工事の予約を入れておくことにしている。今回も引越しが決まって即連絡したので、早速今日から開通しているわけだ。うん、快適。

 引越し先は、駅から徒歩20分ほど離れたところにある、静かな住宅街だ。商店街らしき通りもあるのだが、コンビニやチェーン店がまったくないからか、昭和の雰囲気が色濃く残っていて、たばこ屋さんやあちこち存在していたり、古くて小さな本屋さんや酒屋がぽつぽつあったりする。さびれているわけでもなく、かといってギラギラ商戦に燃えているわけでもない、誰もがひとつの日常生活を守り続けることで細く長く保たれているような、穏やかな通り。酒屋のおじいちゃんに道を聞いたら、近所の顔見知りの子供に教えるような人懐っこい口調で答えてくれた。コンビニが遠いのは不便だけれど、そのぶん、いくつものお店と関わっていけて、住めば住むほど好きになれそうな町かもしれない。嬉しいな。
 新居には昨日も一度訪れて、掃除をした。よろしくね、よろしくね、と思いながら床を拭き、タタミを掃いているうちに、直立していた部屋の空気が少しずつほぐれていって、こちらこそ、こちらこそ、と、部屋に受け入れられていき、新しい部屋が自分たちの生活空間になるのを感じた。
 今日、ごはんを食べて、お風呂にはいって、寝転がってあくびして、お茶を飲んで、ネットして、そんないつもの行動ひとつひとつで、新しい部屋と私たちの生活が混ざり合い、溶けあっていく。まだお互いに緊張していて、ぎくしゃくだけど、ゆっくりゆっくり混ぜ合わせて、満たしていこう。
 
 新しい家で、スピッツをききながら日記を書いている今。この瞬間を、何度夢想したことか。ひさびさに訪れた、心の平穏。ここに至るまでには、すごくいろいろなことがあったと、しみじみ思う。引越しを決意するまでに時間がかかったし、実際引っ越す目安を決めてお金を貯めるのもそれなりの時間が必要だったし、家探しを始めてからも、あれやこれや情報を集めすぎてわけがわからなくなったりして、そのくせいざ実際に家を見に行ったらすぐ一目惚れで決めてしまったりなんかして、ひとつ決まるとあっちもこっちも決まっていって、自分がした契約であちこちの業者と関わりが生まれ、お金が動き、そのたび緊張して、心身ともに休まらない日々が続いた。期待しては疑って、疑いすぎては不安になって、不安が焦りと苛立ちに変わって、最終的になんだか悲しくなったりして、混乱してばかりいた。なんとかなったよ。まだまだやることはあるけれど、これはもう、やるべきこと、というよりは、やりたいことだから、もう平気。あぁ、つかれた!がんばった!これからここで、恋人と暮らすのです。恋人が旦那さんになってからもたぶんしばらくは暮らすのです。
by papiko-gokko | 2007-09-30 22:18 | Diary
覚えてる思い出せない懐かしい忘れちゃったよ記憶のかるた
 自分勝手に傷つかない心をもちたい。気まぐれで涙ぐまない目をもちたい。不安定に歪まない唇をもちたい。誰も決して不快にしない声帯をもちたい。じたばた邪魔にならない手を、どたばた追い越すことのない足を。そんな攻撃的でない体でありながらも、しっかり追いかけていける意思を。

 カレーライスを食べながら、先日録画したHEY×3のB'zを繰り返し繰り返し観て、一日分の憂鬱を晴らす。新曲の歌詞、まだ発売されていないのにだいたい覚えてしまった。イントロからして気持ちいい。かっこいい。メッセージ性の強い歌詞で、ファンじゃない人はどう受け取るのか想像がつかないのだが、稲葉歌詞をこよなく愛するファンとしては、たまらない種類の内容。がんばれなくなりかけたときに口ずさみたいフレーズ満載で。

 明日、出産した友達が退院する。赤ちゃんが初めて外の世界に触れる日なんだなぁと思い、心地よい風の日になるといい、とメールで送ったら、いいフレーズだと言ってもらえて、嬉しくなった。発した言葉を受け入れてもらえることが、やっぱり何より嬉しい。

 それにしても引越し準備が終わらない。困った。
by papiko-gokko | 2007-09-28 00:17 | Diary
どんな顔してたんだろうあの時の会話を鏡の奥に浮かべる
 世界は広いはずだけど、その広い世界のあちこちに自分を織り込んでいけるかどうかはまた別の話。

 理想が高すぎるんだ。憧れが強すぎるんだ。思いどおりにいかないのではなくて、思わなくていいことを思いすぎているだけだ。身の程もわきまえないまま、どこまでも我侭に求め苛立つ。
by papiko-gokko | 2007-09-26 23:40 | Diary
あなたとは会った回数だけ距離が計れなくなる何を想うの
 嬉しいことと悲しいこと、楽しいことと苦痛なことが、同じぐらいの強烈さで、どんどん起こる。それは私の決意や行動によって発生することもあれば、外側から押し寄せてくることもあって、そのなかで、抵抗と無抵抗を繰り返すうちに、意思の形ができあがる。

***
へべれけ短歌

憧れていますだなんて本当はもっと生々しく焦がれてる

欲しいのはこれじゃなくでも求めれば壊れてしまうことも知ってる

楽しくはないかも緊張しちゃうからでも嬉しくてしかたないんだ

もう一度あと一度ってあと何度まばたきしたら晴れるのだろう

目をあわすこともできずにお互いの近況なんか聞きあっている

五分だけ大人を捨ててくれないかその隙に君奪ってみせる
by papiko-gokko | 2007-09-25 00:34 | Diary
妄想のなかで何度も飛び越えた袋小路で微笑んでいる
 素敵な一日だった。好きな人たちに会えた。
 
 22日に赤ちゃんが産まれた友達の病院へ、大学時代の友達と一緒に会いに行った。赤ちゃんがでていって二日たった友達のお腹は、もう七月にあったときの半分ぐらいになっていた。不思議なものだなぁ。ガラス越しに見た赤ちゃんは、想像していたよりずっと、ふにゃんとして小さくて、まったく無抵抗の人間だった。妹が生まれたときも、こんなに小さかったっけ。あのときは自分自身が幼稚園児だったから、そこまで小さく感じなかったのか。これから自我が芽生えてくると、どんどん可愛くなるのだろうなぁ。楽しみ。私もいつか、あんな小さく無防備な人間を産むのだろうか。産んだら、心細くてずっとそばにいたくて、他には何も手につかなくなりそう。

 病院を発ったあとは、高校時代の大好き友人と会う。病院のある最寄駅と近い駅に住んでいることを知っていたので、この機会に会えたらいいなぁとダメもとで連絡をとってみたら、会えることになったのだ。嬉しかった。気持ちが溢れて時間が零れて、言葉があれこれ遮った。地元の友達と会うと、そこが東京であってもお構いなしにぼろぼろ出雲弁がでてきてしまう。東京の雑踏を歩きながら、「やくもが長くて嫌だがぁ」「岡山からが遠いにかぁ」と話していると、同郷出身東京在住の人間同士でなければ味わえない独特のあたたかさとくすぐったさに包まれる。みんなこのまま東京にいればいいのにな。私ばっかりずっと東京にいるのは寂しくて嫌だ。
by papiko-gokko | 2007-09-24 21:49 | Diary
あぁしくじったしくじった
 ひどい二日酔い。昨晩同期で集まって飲み会があり、飲みすぎてしまったのだ。同期の飲み会はこれまでも頻繁に開かれていたのだが、私はいつも不参加だった。しかし今回の飲み会は一緒に入社した事務の子の送別会ということで、でることにしたのだ。基本的に人が怖くコミュニケーション能力にかける私にとって、いつもでていない飲み会にいきなり参加するなんて、これはもう苦行でしかない。どんな顔で何をしゃべればいいのか皆目見当つかず、その場にいることがひたすらに苦しくて、恐怖から逃れるために、飲んでしまった。どんどん飲んでしまった。
 飲めば飲むほど、人への恐怖心が消え、その代わりに愛しさが増してきて、私は楽しいような気持ちになっていた。あれこれしゃべっているうちに、「ぱぴこさんって、大胆かつ繊細だよね」と言われ、一瞬酔いがさめた。私は何を言ったんだっけ。会話のほとんどは会社の愚痴で、あぁ私だけじゃなくてみんな苦しんでいるんだなとわかったら、飲む勢いに拍車がかかった。転職を考えているという人もいた。あのとき私たちのやっていたことは今思えば完全に陰口で、正しくないことで、でも正しくないことをしなければ救われないことだってあるのだと、酔った頭でやけに爽快な気持ちで思った。
 一次会が終わり、一次会までで帰る人たちと一緒に駅まで歩き、別れたとたん、ここがどこなんだかわからなくなった。と、同時に世界がぐるんぐるんしはじめ、視界が揺れ、水中を歩いているように体が言うことをきかなくなり、自分がなにをどうしたいのかの判断すらつかなくなってきた。気付けば仕事中の恋人に「ここ、どこ」と電話をかけてしまっていて、水を飲んで帰れと叱られて、必死で頭を働かせてミネラルウォーターを買い、がぶがぶ飲むと同時に吐き気が襲ってきて、駅で吐いた。恥ずかしい。最低。こういうのが許されるのは、大学生まででしょう。記憶のおぼつかない状態でかろうじて家まで辿り着き、そのまま倒れるように寝た。駅で恋人を探す夢を繰り返しみていた。
 もう二度と、同期の飲み会には参加しない。飲まないつもりでいても、怖くて飲んでしまうから、どうもダメだ。ダメだなぁ。ダメ人間ですなぁ。
 今日は二日酔いのぐらんぐらんする頭で、引越し準備。しんどい。なんかもう、とことん自分が嫌だ。どうしてこんなにかっこ悪いのでしょうか。明日は友達の赤ちゃんに会いに病院へいくので、よく寝て体調を整えようと思う。
by papiko-gokko | 2007-09-23 21:57 | Diary
生まれたのです
友達の赤ちゃんが生まれたとの報告。写真も添付されていた。女の子。かわいい。もう開いた瞬間、ひょんっ!って変な声がでたほどの、驚くべき猛烈なかわいさ。おもしろいぐらいにちゃんと、友達と旦那さんの顔に似ているのだ。いやぁぁどうしようかわいいよう…。
あまりにもかわいくて興奮してしまい、目が冴えてしまったので、こうして日記をかいて気持ちを落ち着けている次第だ。眠くなってきた。もう一眠りして、今日は新居の正式契約と、同期の送別会だ。今すぐにでも抱っこしにいきたい気分だけど、あくまでも私は私の今を解決していかねばならないわけで。うん、眠くなってきた。生まれるってすごいな、誕生日ってすごいことだな。びっくりする。これからあの子を守っていく友達と旦那さんは、尊い。
by papiko-gokko | 2007-09-22 04:58 | Diary
とりとめもなく登る塔くりかえす螺旋階段とらわれていく
 考えようとすればするほど浮ついて、散漫になってしまうのは、どうしてでしょう。心模様に囚われていく。

 会いたい人に会える時期が、巡ってきたみたいだ。毎年1年にだいたい2回ぐらい、そんな時期が巡ってくる。私の会いたい人たちはそれぞれ住む場所も生活も異なりまったく繋がりがないのにも関わらず、なぜだか同じぐらいの時期に会えることになるのだ。不思議現象。
 今回は、心待ちにしていた友達の赤ちゃんがついに明日あたりお腹からでてくると知らせがきたり、遠方の友達が東京へでてくるので会えることになったり、会いたがったら会えるかもしれなくなった友達もいたり。嬉しい。会いたい人に会えるのは、人間として生きる嬉しさ要素のなかでも、際立って特別なことだと思う。嬉しい。何を着ていこうか、可愛い髪留めのひとつでも買おうか。くれぐれも、仕事の愚痴をこぼしてしまわないようにしないとな。
 それにしても、何度も触らせてもらったお腹のなかの赤ちゃん、産まれるんだなぁ。明日には腕に抱かれるのだなぁ。どうしよう。私が緊張している。すごい。今突然はっきりイメージできたのだが、私は出産のとき、B’zを聴くと思う。ウルトラソウルとか。そして産まれたらスピッツを聴くと思う。空も飛べるはずとか。
by papiko-gokko | 2007-09-21 22:33 | Diary
新しい君の言葉が共感を経て僕だけのフレーズになる
 普段ロック系の音楽など全然聴かない恋人が、通勤カバンからおもむろに「ロッキング・オン・ジャパン」10月号を取り出し、目の前で読み始めた。これは一体どうしたことだ!?と、驚きながら表紙の写真をよくみたら、スピッツ!上目使いのマサムネさん!10月号がスピッツ特集だったので、自分の勤める書店で買ってきてくれたようだ。素敵な恋人!仕事のことでもったりもたれていた心が一気に跳ね上がり、彼の手から即効とりあげ読みふける。
 10月発売の新しいアルバムのことや20周年に関することを中心に、正宗さんの独占インタビューが数ページにわたって掲載されており、質問に答えるマサムネさんのひとことひとこと、小さい高級プリンをすくうときの気分で読んだ。いい。マサムネさんのしゃべる言葉は、嬉しくなる。好きな人が新しい言葉を発するだけで、どうしてこんなにも力いっぱい嬉しくなれてしまうのだろう。好きな人を好きでいてよかった、と心から思うのは、こういうときだ。
 この人のこの言葉を知っているのが私だけだったらいいのに・・・とか気持ち悪いことを思いつつ、発言の節々から、草野正宗さんという人の存在感に、うっとり共感した。本当は私とは住む世界のまったく違う遠くて大きな存在なのだろうけれど、マサムネさんの醸し出す雰囲気や生み出す言葉は、そんな私みたいのがその存在に共感することを、許してくれている感じがする。スピッツから感じる優しさは、そういうものなのだと思う。だから、スピッツの曲を聴くと、あぁこの歌と私の細胞と浸透圧は同じだぁぁ・・と、歌に思いそのまま溶けていける。いいなぁ、スピッツ。アルバムが楽しみだ。そしてマサムネさんの上目遣いは最強だ。
 ロキノンジャパンを買ったのはかなり久々(前回のスピッツ特集以来かも)で、久々に読むと、楽しかった。スピッツ以外にも好きな人が結構でていたし。毎月購読しようかな。ひとつぐらい、毎月購読する雑誌があってもいい。



 引越しをして落ち着いたら、そのうちリクガメを飼おうじゃないかと話していて、ネットでいろいろと飼い方や種類など勉強しているうちに、ちょっと詳しくなってきた。飼うなら、ヘルマンリクガメギリシャリクガメかがいいなぁ。初心者にも飼いやすいようだし、そんなに大きくならないみたいだし、ギリシャガメは特に、甲羅の模様が素敵。
by papiko-gokko | 2007-09-20 22:58 | Diary
いつまでも難しいこと詳しくはなれないけれど写真を飾る
 バンプオブチキンの『ロストマン』(youtube)と『ラフ・メイカー』を聴いて胸の奥がビリビリし、バンプオブチキン熱急上昇。不思議な親しみの沸く声、懸命で精密な歌詞。よいなぁ。誰よりも怖くない歌を歌う。ラジオから流れてきた『天体観測』(youtube)に、居ても立ってもいられないほどビリビリして出雲中のCD屋さんを探し回った高校3年のころの私と、ほとんど同じように今、感動している。変わらないものなんだなぁ。いろいろ変わった部分もあるだろうけれど、少なくとも音楽に触れる部分は、そう簡単に変わっていかないみたいだ。いつまでたっても難しいことに詳しくなれないけれど、それでも音楽大好きだ。音楽を自分でつくれる人のことが、心から羨ましい。今ダントツの共感曲は、『ギルド』(youtube)。



 誠実にも薄情にもなりきれず、取り繕って取り繕って、かろうじて善人。真剣にも適当にもなりきれず、装って装って、青ざめながら築く関係。しがみつくことも割り切ることも、根を張ることも旅することも、できない私にできることは、ここでこうして言い訳みたいにうわ言みたいに、一日を白状することだけ。いや、それすらできていないか、よくないよくない、これにて打ち止めまた明日。やめちゃえよ、なにもかも。単純な目標かかげて、前を向くのだ。希望っぽいことを、集めようとして目をあけるのだ。食傷。
by papiko-gokko | 2007-09-19 20:37 | Diary


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