日記と短歌
by papiko
有り余る音と光とタイミング街の合図を無視して走る
 最近セミの合唱に、スイッチョンの鳴き声が混ざり始めた。今朝、晴れた空は高くて、帰り際にちょうど降り出した夕立ちは、ぎゅっと細胞が縮まるぐらい冷たかった。秋が近づいてくる。威勢よく遊び続けているさなか、大人から「さぁもうお片づけしましょうね」と言われて、しぶしぶ夕焼けを背負う、あの感じに似た寂しさ。

 帰り道の夕立ち、かなり怖かった。暴風と雷雨のなか、猛スピードで自転車をこいだ。悪天候のときにスピードを出しては危険だと頭では分かっていても、恐怖のほうが完全に打ち勝ってしまって、とにかく早くうちへ帰りたい一心でこいだ。途中、何度も雷がゴロロロと鳴り、世界が嘘みたいにまっ白く光った。太陽が雲に覆われた世界を、一瞬であんなに明るくできてしまうなんて、恐ろしすぎる。かなわない。何を削減しても増やしても、地球様の気まぐれにはかなわない。カッと光るたび血の気が引いて、体中が硬直して、ずっと肩をすくめながら走った。足が震えて、震えを抑えるためにますます勢いよくペダルを踏んで、いつもは途中から自転車を押して歩く坂道を、気づけば乗ったまま登り切っていた。自然の驚異の前にはもう、力加減など捨てて、身を小さくしながら逃げるしかない。きゃあと叫んで走っている人もいたけれど、私は声すらでなかった。ずっと歯を食いしばっていたらしく、顎のあたりがぐったりしている。家に帰ってシャワーをあびて、みるみる落ち着いていく心。あんなに震えあがった雷も、家にいさえすれば恐くない。家があるってすばらしい。世界中のどこよりも自分の家が大好きだ。

 ソフトボール、オリンピック最後の試合で金メダルを取れるだなんて、最高にかっこいいじゃないか。最後のあたり緊張しっぱなしで、歓喜の声で緊張が弾けて、夫が感動した感動したというので、自分も何か言おうと思うのに、息が詰まって、うまく吐き出せなくて、ぽかんと口を開けたまま、ほんの少しだけもらい泣きしていた。
 私自身はこれまで何もスポーツをしてこなかったし、スポーツ観戦もそれほど熱心にしたことがないけれど、オリンピックや甲子園などの大きな大会で選手の流す嬉し涙や悔し涙には、めっぽう弱い。選手の悔しさや喜びがダイレクトに伝わってきて、鎖骨のあたりがぐぐっと絞めつけられ、うまく息をはけなくなる。ひとつのことに打ち込んできた人間のがむしゃらな情熱やひたむきな執念は、見る者の胸を打つものだなぁ。オリンピックはいつも、それを実感させてくれる。
by papiko-gokko | 2008-08-21 22:56 | Diary | Comments(0)
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