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日記と短歌


by papiko

不機嫌な男のそばで剥く林檎シャリシャリしゃしゃりでる不信感


 春の嵐。濡れた郵便ポストに、桜の花びらがいっぱい張り付いていた。期間限定水玉ポスト。赤とピンク、春らしい毒々しさだ。鉛筆書きの、真実めいた手紙を投函したくなった。
 季節の変わり目の荒れ模様って、すがすがしくて好きだ。空が季節のマントを勢いよく翻す瞬間のよう。特に暖かくなっていく季節の場合の嵐は、いざ心ゆくまで荒れたまえ!!!と思う。雷にビリビリしながら傘を持っていないことに気付いたけれど、私も一緒に翻りたいから濡れてもいいやと思った。残念ながら帰るころにはやんでいたが。

 誕生日の一日が終わってしまえば、ひとつ年をとった私が、再び広大な日常に放り出されている。誕生日は、特別な日なんだなぁ。どこかに放り出されている感覚は常にあり、けれど誕生日の日だけは、その感覚から解放されていた。生まれた日だけは、大切な人からもらう「おめでとう」のおかげで、命が居場所を認識して根付いてくれるらしい。残念だ、また放り出された。気まぐれな海原で、泳ぐか沈むか助けを求めるか、考えながら暮らすような毎日。

 「東京ミッドタウンにいきなさいよ、いいなぁ、素敵」と、母が電話口でため息を漏らしていた。母は東京に対して実に安直でわかりやすい憧れを抱いている。東京に限らず、母の憧れ方はわかりやすい。先日浜松のちょっとオシャレなところでお茶をしたときも、「素敵だわぁ、お母さん、こういうガラス張りのカフェでのお茶って憧れとった」とうっとりしていた。
 そして私もその血を、どうやら相当ひいている。安直な憧れを追いかけているうちに、このようなちぐはぐな24歳になっていたわけで。母の娘であるからには、これからも、しつこく憧れを追いかけ続けるに違いない。原宿でクレープ、とか、そういう憧れを追いかけ続ける。

 ちょうど一年前の今日から、私は今の会社で働き始めた。まだ何もわからなくて、ひたすら領収書を整理していたっけ。入社してから一年たった今でも、十分にできないままのことはいくらでもある。けれど、一年前緊張しながら必死でひたすら領収書整理をしていた私と比べてみれば、できるようになったことだって、やはりそれなりにある。苦手だった電話が今や苦ではなくなった、請求書を自分で発行できるようになった、帳簿をつけられるようになった、数字をかくのがうまくなった、コピーとかファクスとかすばやくなった、エクセルの小技をちまちま覚えた、簡単な社外文書なら打てるようになった、同業他社メーカーにちょっと詳しくなった。他の業種職種に比べたら、私の仕事は楽なのだろうけれど、それでも私にとってはそれなりに困難な仕事だし、私は私でそれなりにがんばっているのだってことに、しておこう。
by papiko-gokko | 2007-04-04 22:01 | Diary