日記と短歌
by papiko
帰省しました
 まず最初に。昨日の日記は酔った状態で書きました。しらふで稲葉きゅんとか言いません。言いかねませんが、少なくとも日記に記しやしません。朝読み直してあまりにも恥かしかったので、いまさらながら、いいわけ。

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 今日は朝から新幹線にのり、出雲へ。外は雨降で、窓に張り付いてはぴりぴりと流れていく水滴をみているうちに眠たくなってきて、うとうとして目を覚ましたら、窓の外が建物から田んぼに変わってた。こんなにもあっという間に東京を離れる事ができるなんて、びっくりする。乗り物って、すごい。田んぼを眺めていたら、不思議な安心感と共にお腹がすいてきたので、おにぎりを食べた。田んぼを眺めながら食べるおにぎりは格別で、おにぎりも少し嬉しそう。生まれ故郷だものな。お米を食べて育ち日々生きている私にとっても、ある意味たんぼは、故郷なのかも。だから不思議に安心で、懐かしくなるのかも。
 おにぎりを食べた後は、景色を眺めたり、本を読んだり、お菓子を食べたりした。寝るか、ボンヤリか、読書か、食べるか、単純な選択肢しかない新幹線での時間が、私は嫌いじゃない。できることが限られているから、何かに急かされる事も無く、心を乱される事も無く、思う存分ぼんやりできる。心ゆくまで退屈できる。景色が変わっていくのも楽しい。名古屋の建物はなんだか正方形っぽいのが多く、京都は瓦の屋根が多かった。そしてなにより思うのは、日本ってどの地域にも思いのほか田んぼや畑があるんだなぁということ。田んぼの無い東京で暮らしていると、お米が田んぼで作られている作物であるということを、忘れかける。
 景色をみたり眠ったりを繰りかえしながら、ゆっくりゆっくり読んでいた本は、江国香織のエッセイ集「泣く大人」。読んでいて、この人は自分の好き嫌いに対して真面目で正直で、そしてそれがなぜ好きであるのか、嫌いであるのか、どんな風に好きか嫌いかについて、とても注意深い人だなぁと思った。それからこれは今気付いたのだけど、4年前の丁度今頃(二月の終わりから三月の始め)、私は大学入試のために上京をしていて、そのときにかばんの中に入っていたのが、同じく江国香織のエッセイ集「泣かない子供」だった。そしてその4年後、学生最後の春休みの帰省で読んでいるのが「泣く大人」だなんて、なんだか不思議な偶然。4年前、私は移動中や試験前の待ち時間やホテルでのひまな時間などに、ひたすら「泣かない子供」を読んでいた覚えがある。江国香織の言葉をたどっていると、あたふたざわざわしていた心が、すーっと落ち着くのだ。当時も今も、私は落ち着きたいらしい。
 そんな感じで、ゆったりのんびり帰省した。電車に乗り換えて2時間ほどしたころ、ふいに眩しくなって本から顔をあげたら、雪景色で驚いた。まだ山陰の山奥のほうは、雪が解けていなかったのだな・・・。山を下っていくに連れて雪は無くなり、見慣れた風景になってきた。山陰の景色は、さっぱりしている。まず基本として田んぼが広がり、家がたっぷりスペースをあけて建っており、電信柱がつったっている。高い建物が無いから電信柱が非常に高い棒に見えること、土地が広く道が直線のため電信柱も整然と並んでいるのが、特徴だ。それから川のあるところにはきちんと必ず土手があり、橋がかかっている。そしてそれらを見守るような低まるい山が連なる。
 ちょうど夕暮れ時の宍道湖もみた。曇りだから夕日は見えなかったけれど、それでもほのかに夕焼け雲をうつしていて、綺麗だった。夕暮れ時の宍道湖は、疲れた顔をしていると思う。それはたぶん私が小さい頃、家族で遊びに出かけた帰りに、いつも夕暮れ時の宍道湖を車から見ていたからだろう。遊び疲れてぐったりの、幸福で我儘な眠たさの色。
 宍道湖をすぎていよいよ終点に近づいた頃、山を見てはっとした。もくもく曇り空の下、低い山のすその方まで、ひゅるひゅると、真っ白な雲が巻きついていたのだ。日本昔話の絵みたいな感じで。雲がそのまま霧となって、下界まで道を作っているみたいな感じで、雲と山とがひと繋がりになっていて、本当についうっかり、神様とか鬼とか、降りてきそうな・・・。本当にあまりにも幻想的すぎて、息をのんでしまった。出雲の空のでっかさと雲の表情豊かさには、帰省するたび魅了される。うーん、あれは、すごかった・・・ 
 実家に帰ったら、妹も母も抱きついてきて「やせすぎ」だの「硬い」だの言われた。下の妹には「骨!」と言われた。ひどい。私も妹を抱きしめたら、ふたりともほんわり柔らかかった。羨ましい。私も柔らかい女になりたい。母は謎のダイエットボールに座ってふるふる身体を動かし、上の妹は私の携帯を勝手にいじって変な設定にかえ、下の妹は私なんぞに進路の相談をしてくる。
by papiko-gokko | 2006-03-01 23:42 | Comments(0)
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