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日記と短歌


by papiko

画材屋にずらりと並ぶクレヨンが選ぶ自由と罪を教える


 普段はぐっすりの朝5時ごろ、ふいの物音に目を覚まし、それから寝付けなくなりました。仕方がないので、目を閉じて外の音に耳を傾けていると、初めは静まり返っていた外の世界に、いつの間にか鳥の囀りが散らばり、それから氷が解けるみたいに少しずつ少しずつ、人の立てるかすかな物音が混じりだして、町に朝が始まって行く気配が分かりました。それはなんだか、卵の中のヒナが内側から小さなクチバシでコツコツと殻をつつき、まっさらな表面にちょっとずつちょっとずつヒビを入れて穴をあける、誕生の過程に似ていました。車が車庫を出ていく音、隣人のドアを閉める音、自転車のかすかなブレーキ音、ゴミだしのゴミ袋のカサカサなる音・・・それら小さな物音のひとつひとつが、少しずつ夜の膜にヒビを入れて、街全体が夜から朝に向かって生まれようとしているようでした。
 夜は光の加減でやってくるけれど、朝は光よりも先に音が連れてくるものなのかなぁ、とか、夜から朝が生まれるのなら朝は夜の子供なのかなぁ、とか、目を閉じたままそんなこと考えているうちに、やがてバイクが走りだし、音の種類がどんどん増えひとつひとつの大きさも控え目ではなくなってきて、完全に朝の音になり、朝の音になったなぁと思ったら安心してしまって、起床時間が迫っているにも関わらず眠りに落ち、目覚ましが鳴るまで夢もみずに眠りました。

 それにしても、春になったかと思ったのに、今日はなんて寒いんだろう。暑がりの担当営業さんが、「さむくない!?」と暖房をいじっていたほどだから、今日の寒さは相当だったはずです。もう手袋はいらないと思ってカバンから出していたものだから、帰り道、傘をさす手がかじかんでかじかんで、頭のなかにお風呂とコタツのイメージしか浮かばなくなっていました。近所の桜は、ふくらんだ蕾から冷たい雫をぽとぽと落としていました。せっかく咲こうとふくらんだところだったのに、春爛漫への道は、なかなか辛いもんだなぁ。明日もまだ冬の気温のようで、気が滅入ります。春よこい、早くこい。
by papiko-gokko | 2010-03-24 23:11 | Diary