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日記と短歌


by papiko

曇り空淡い夕焼け改札を抜けたらそこは海底の町


 仕事を終えて電車に乗り、改札を出るといつもの町が、紫色に染まっていました。空一面を覆う雲から夕焼け色が光も影もなく均等に降り注ぎ、染まっているというよりも、街全体が紫色の海底に沈んでいるような、人の歩く速度や信号の点滅時間まで違って見えるような、そんな不思議な夕焼けでした。紫だねと、誰かに言いたかったけれど、ひとりだったから、iPodから紫色の風景に似合うような音楽を選んで聴きながら歩きました。途中、スーパーによって夜ごはんの食材だけ買って外へ出たら、淡い紫色だった曇り空は深い藍色にかわり、影も光も曖昧だった町は、その全体が影に包まれ始めていました。あぁ、日が短くなった。

 会社では、役にたてたり、空回りしたり、満足したり、後悔したりしました。
 役にたてたのは、コピー機。私の席はコピー複合機が近くて、そのため用紙やトナーの手配とセットは結構私がしています。今日もトナーのひとつが切れて、ちょうどその時つかっていた営業さんが首をかしげてあれこれいじっているのに気付き、わたしやりますやりますと、急いでトナーの交換をしたら、その営業さんが「すごい、てきぱき手慣れてるね」と感心してくれました。仕事で感心されるなんてめったにない私なので、嬉しかったなぁ。私にしかできないこと、とまでは言わないまでも、私が誰よりも得意なことが、会社にひとつでもあったなら、働く力がわいてきます。
 空回りしたのは、いつものように担当の営業さんとの電話のやり取り。どうにも自分には解決できないことがあり、ついそのことについて不必要な伝言をしてしまって、「それ今電話で言われてもどうしようもできないんで、とりあえず保留にしといてください」と、若干苛立たせてしまいました。こういうこと、勤めだして間もないころはしょっちゅうあって、ここ1,2年でようやく随分減ったのですが、それでもたまに難しい状況に追い込まれると、ついやってしまいます。反省は尽きない。

 NHKのドキュメンタリー番組「プロフェッショナル 仕事の流儀」を見ました。今日は井上雄彦さんのドキュメンタリーでした。バガボンドは途中までしか読めていないけれど、スラムダンクは、アニメも漫画もはまったなぁ。この人をしっかり見たのは初めてで、想像以上にかっこいい人でした。特に目が、この人の描く漫画の主人公のようにぎろりと鋭くて、惚れ惚れしました。密着取材で絵を描く様子も多く映り、そのたび息をのみました。さらさらと描いた下絵に、細い筆ですっすっと線を引いていくと、その線がみごとに表情をつくっていくのです。漫画を描くその様子はどこまでもストイックで、締め切り前はピリピリしていて、プロってすごいもんだなぁ・・・と、感心しっぱなしでした。あのすごい迫力の漫画は、ギリギリまで自分を追い詰めて追いこんで頭をかかえて、やっと出来上がるものなのだなぁ。
 同じ番組で宮崎駿さんのドキュメントをみたときも、それから少し前に「情熱大陸」で秋本治さんのドキュメントを見た時にも、つい先日NHKで浦沢直樹さんのインタビュー番組を見た時にも思いましたが、プロの創作者って、かっこいい。自分の作品に対してどこまでも真剣で、ストイックで、そのためなら労力を惜しまず、自分のスタイルを磨き続けていて。あんなふうになれるからこそ、プロの創作者になれたのか。プロの創作者だから、あんなふうになれるのか。生活のなかに、仕事であれ趣味であれ、何か一つ、ストイックに取り組めることがあるというのは、しんどいけれど、生き方としてとても美しいと思います。だけど、相当タフで根性がないと、あんなふうには、なれないのだろうなぁ。
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by papiko-gokko | 2009-09-16 00:15 | Diary | Comments(0)